WRC2019/11/14

トヨタ、セントラルでヤリスの新ブレーキをテスト

(c)RALLY-Xmobie/Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTは、先週末に行われたセントラル・ラリー愛知/岐阜においてヤリスWRCの新しいターマック・ブレーキシステムのテストを行った。

 母国で初めてヤリスWRCステアリングを握った勝田貴元は、セントラル・ラリーへの参戦意義について「来年のために様々なフィードバックをチームに持ち帰ることが重要だ」と繰り返していたが、来年のWRCラリー・ジャパンにむけて日本の特徴的なターマックステージにおける基本的なセットアップを煮詰める作業だけではなく、将来にむけたさまざまなパーツをテストするという重要なミッションもあったようだ。

 今回のイベントは、世界ラリー選手権のイベントではないため、ホモロゲーションをもたない新しいパーツの開発テストが行われたと見られるが、とくに目を惹いたのは新しいブレーキだ(上写真)。

 ヤリスWRCのターマック用のブレーキキャリパーは今季、アルコンが使用されてきたが(下写真は2019年スペイン)、セントラル・ラリーで目撃されたアルミ合金ブロックの削り出しと見られるブレーキキャリパーはそれとは異なるプロダクトと見られ、前後ともキャリパーはカバーが覆ったような形状をもち、冷却のためのエアダクトが接続されている。

 あるトヨタ関係者は、今回のイベントでいくつかの新しいパーツが将来にむけてテストされたことを認めているが、このブレーキがどういった狙いをもっているものか投入時期などについてはコメントできないとしていた。また、2022年から世界ラリー選手権にはハイブリッドWRカーが投入されることになっており、ブレーキ回生などの新しい技術がラリーでも試されることになると考えられているが、そうしたさらに長期的視野に立った先行開発の可能性もありそうだ。