WRC2020/09/13

トヨタ、苦手だったトルコの完全攻略に自信

(c)Toyota

 
 トヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表を務めるトミ・マキネンは、これまでヤリスWRCにとって苦手だったラリー・トルコの攻略に十分な対策を行ってきたと語り、勝利に自信をみせた。

 トヨタは2018年にオイット・タナクがトルコで優勝を飾っているが、ライバルたちのトラブルに助けられたものであり、車高を高くしたヤリスWRCのパフォーマンスはけっして十分なものではなく、昨年もいいペースを見せることができなかったばかりか、タナクはパンクとECUトラブルに見舞われたほか、ヤリ-マティ・ラトバラとクリス・ミークもマシンにダメージを負ってしまいチームは終盤戦でタイトルを逃すことにつながる敗北を喫していた。

 トルコの山岳地帯のステージは全体的にかなり荒れており、路面はバンピーで大きな鋭い石が無数に散らばっているため、サスペンションやタイヤに大きな負担がかかるほか、9月は気温が非常に高く、なおかつステージの平均速度も比較的低いので、エンジン、トランスミッション、ブレーキに風が当たりにくく、入念な温度対策が必要になる。そのため、他のグラベルラリー以上にクルマの耐久性の高さが求められている。

 トヨタは苦手なトルコを克服するために、ラリー・エストニアの直前に3日間にわたってギリシャ北部の悪路でテストを行い、ヤリスWRCを鍛え上げている。

 トヨタはこれまでのところ、ドライバーズ選手権ではセバスチャン・オジエがリーダーをキープ、エルフィン・エヴァンスが選手権2位、カッレ・ロヴァンペラも選手権4位につけて上位を維持、マニュファクチャラー選手権でも首位を守っているが、前戦エストニアでヒュンダイに1-2を許したことでリードはわずかに5ポイントとなっている。

 昨年のトルコのあと、「このラリーではどんなことも起り得る」と呻くように語っていたマキネンは、今年のイベントにむけてクルマの改善を徹底的に行ってきたと語っている。

「非常に荒れた道を走るラリー・トルコは、本当に難しいイベントとなる。誰にとっても初めての大会だった2018年には優勝したが、必ずしも我々が得意とするコースではなかった。しかし、昨年の大会以降、我々はトルコで直面するようなコンディションに向けてクルマの改善をするため、多くの作業を行ってきた。今年は、我々のクルマがそのようなコンディションでかなり良くなっていることは確かなので、良い戦いをする自信がある」

 昨年、トルコで優勝を飾っているオジエは、選手権リーダーとして臨む今年のイベントでは苦戦を強いられることを覚悟しているが、ギリシャで行われたトルコのためのプレイベントテストはマシンにいい手応えがあったと語っている。

「昨年、ジュリアンと一緒に勝利をあげたラリー・トルコには、もちろんいい思い出があるが、昨年と同じ結果を残すことは簡単ではないはずだ。誰にとってもタフなラリーになるが、出走順がトップの我々にとっては、特に難しい1戦になると覚悟している。それでも、トルコに向けたテストでは、クルマに改善を施して大幅に進化させることができたと信じているし、ヤリスWRCでどんな戦いができるのか、ラリー本番を楽しみにしているよ」