ラリー・フィンランドのバトルを吹き飛ばすほどの衝撃が金曜日にステージを駆け抜けた。SS7カカリストのステージを突然走り始めて世界を驚かせたトヨタGT86 4x4。ステアリングを握るトミ・マキネンの隣に座っていたのは、なんとトヨタ自動車の豊田章男社長だった。
このマシンがトヨタのWRC復帰のために作られたワールドラリーカーのプロトタイプだという期待は否定されたものの、豊田社長は、トヨタはラリーのDNAの一部であり、これからの将来に注目してほしいと語っている。
「私はWRCについて学ぶためにここに来ましたが、私はラリーがトヨタのDNAの本当に多くの部分を占めることを発見しました」と、豊田社長はwrc.comのインタビューに答えている。
「会社を代表する者としてこのような伝説を継承したいと思っていますが、トヨタは大きな会社であり、誰もが社長の言葉に耳を傾けません。だから、私はトヨタ自動車がこれまでより良いクルマをつくるためにはラリーが必要であることを、みんなに見せなければなりませんでした。(トヨタがWRCに戻るかどうか)まだわかりません。しかし、私たちの将来における活動を見てください」
豊田社長は今年初めにマキネンからドライビングのコーチを受けた後に、トヨタ86のラリーカーの製作を依頼したと説明、木曜日のプライベートテストでは、初めてこのマシンをドライブしたことを明かしている。
「今年のはじめに私は日本でトミに会いました。彼はWRCを見るよう私を誘い、フィンランドには興味深い道路がたくさんあり、そこでドライブすることを勧めてくれました」と豊田社長は語った。
「そこで私は彼にクルマの製作を頼み、今回、彼の横でWRCを体験することもできました。このようなシートでWRCを楽しむことができるなんて最高に幸せですよ」
トミ・マキネン・レーシングによって製作されたGT86 4x4は、WRカーレギュレーションに沿ったマシンではなく、スバルWRXの駆動系によって4WD化され、カーボン製のボンネットとリヤのスポイラーを装着している。