WRC2023/05/25

ドゥメゾン、ヒョンデのテクニカルディレクターに

(c)Hyundai

 ヒョンデ・モータースポーツは、フランソワ・グザビエ(FX)・ドゥメゾンをテクニカルディレクターに任命し、同社の技術部門を強化することを発表した。

 54歳のドゥメゾンは、2023年6月1日からチームに加わり、世界ラリー選手権(WRC)、カスタマーレーシング、電気モータースポーツプログラムにおいて、ヒュンダイモータースポーツの技術部門の取り組みを推進するという。

 ドゥメゾンはWRC、F1、ラリークロス、TCRなど、26年にわたってモータースポーツの開発に携わってきた。WRCでは、スバル・ワールドラリーチーム、プジョー・スポールをわたり歩いたあと、フォルクスワーゲン・モータースポーツでテクニカル・ディレクターとしてポロR WRCを開発、チームは2013〜2016年の4シーズンに行われた52戦のうち43勝を飾り、チームをマニュファクチャラーとドライバー・タイトル4連覇に導いている。また、VWがパイクスピーク・ヒルクライムの記録を塗り替えた電気自動車I.D.Rも、ドゥメゾンが開発を手がけたマシンだ。VWのモータースポーツ活動中止のあと、彼はウィリアムズF1チームのテクニカルディレクターに就任したが、昨年12月にチームを去っている。

 ヒョンデは今季、まだWRCでは勝利に見舞われてないため、チームのラインナップに関しても長期にわたるチーム再編のなかで決定していくことになるとしており、今回のドゥメゾン加入による技術部門の強化によって、ヒョンデは中期的にル・マン24時間レースに出場することを目標とする将来のハイパーカー・プログラムの開発に着手するとの見方もされている。

 ドゥメゾンは、ヒョンデ・モータースポーツのテクニカルディレクターに就任、ヒュンダイ・モーターカンパニーの技術部門の取り組みを推進し、世界中の関連する研究開発グループと連携することになる。

「ヒョンデ・モータースポーツでこの新しい役割を始められることに、とても興奮している。ヒョンデは、モータースポーツ領域において、既存の取り組みと将来の取り組み、特に電気モータースポーツプログラムの両方において、素晴らしい可能性を秘めていることは明らかだ」とドゥメゾンは語っている。

「私の使命は、ヒュンダイのモータースポーツ事業の能力を強化し、世界最高のものに成長させることだ。WRCやカスタマー・レーシング・プログラムですでに大きな成果を上げているスタッフとともに、このチャレンジを楽しみたいと思う」

 ヒョンデのチーム代表であるシリル・アビテブールは、チーム加入後すぐに、技術部門の間に欠けているリンクがあることが明らかになり、ドゥメゾンはその役割を果たすのに最適な人物であると付け加えた。

「ヒョンデに加わり、これまでその活動に集中していたが、会社には技術部門に統一された存在が必要であることが明らかになった」とアビテブールは説明した。

「フランソワ-クザビエがテクニカル・ディレクターに就任することは、ヒョンデのモータースポーツ・プログラムをより充実させ、成長させるための非常にエキサイティングなチャンスになる」

「現在の競争力を向上させるだけでなく、FXは、私たちの能力をトップクラスのモータースポーツ組織に変えるために、私たちの施設に改善をもたらすことによって、会社の未来を定義するのを助けてくれるはずだ」

「彼は、モータースポーツで勝つだけでなく、支配するために何が必要かを知っている。そして、その経験こそが、今後数年間、私たちの努力を結集し、チャンピオンシップのタイトルを獲得するために必要なのだ」