WRC2023/01/26

ヌーヴィル、パフォーマンス不足はテストに原因

(c)Hyundai

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 ヒョンデ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィルは、先週のラリー・モンテカルロで優勝したトヨタGRヤリスRally1とは明らかなスピードの差はあったものの、ヒョンデのペース不足に関しては、もっとウィンターコンディションになることを想定したクルマのセットアップを行なっていたことに起因すると語っている。

 2023年のモンテカルロにおいて、16回のステージウィンを獲得してラリーで1-2勝利を飾ったトヨタに対し、ヒョンデはヌーヴィルの2回のステージウィンと3位表彰台にとどまり、明らかにその速さでライバルの後塵を拝する形となっている。
 
「トライはしていたものの、なかなか思うように良いタイムが出せていなかったのは確かだ。いつも数秒遅れで、常にタイムロスしている感じだった。でも、それはマシンのパフォーマンスに起因するものではないと思う」とヌーヴィルは語った。

「チームとして、ここまでドライなコンディションを予想できず、クルマの細々した部分や柔らかめのセッティングなど、もっといつもどおりのモンテカルロを想定して準備していて、それが結果的にうまくいかなかったということだ」

 ヌーヴィルは、昨年末のラリー・ジャパンでヒョンデがトヨタを圧倒し、ここでトヨタが圧倒したのはセットアップの問題があるため心配する必要はないと結論づけた。

「僕らは1年前のことを考えれば前進していると言えるけど、1ヶ月半前の日本の時と比べたら、ここでは少し劣っていたということだ。我々が選んだセットアップや天候に関しても、そのプロファイルがあまり合致しなかった、だから、週末を通してペースが上がらなかったんだ」

「昨年はスペインで、彼らの方が強かったし、僕たちは40秒も遅れていたけど、日本に行ってみると、僕たちの方が強く、1分近い差でラリーに勝っているからね。だから、モンテのタイム差は心配はいらないと思う。やるべき仕事については分かっているからね」

 新しいテスト規定によって複雑な路面のモンテに向けても1日しかテストできなかったことが、このセットアップの間違いを生んだとヌーヴィルは語っている。

「モンテのようなラリーに向けてたった一日しかテストができない状況なのだからね。それでも我々は限られたテストの条件のなかで、あらゆるにコンディションに対処できるクルマを作る方向性でいくことを決めたが、結局は完全なドライの純粋なターマックイベントと言えるラリーを走ることになったんだ」

「スピード的にはそれほど良くはなったが、そんなに悪くはなかったと思う。ラリーの序盤は他のドライバーたちのペースについていくこともできてなかったが、土曜日の午後には最速タイムも出すことができた。だからあまり不安に考える必要はない」

 ヌーヴィルは、昨年のモンテカルロではヒョンデの信頼性の問題とペース不足に悩まされ、6位が精一杯だったのに比べ、表彰台で新しいシーズンのスタートを切ることできたことに満足しているようだ。

「もちろん優勝争いがしたかった。新シーズンを表彰台に上ってスタートを切れたのだから、昨年に比べたらまだいいスタートだったと思う」とヌーヴィルは付け加えている。