WRC2020/10/31

ヌーヴィル、母国WRCのキャンセルは正しい判断

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィルは、母国での世界ラリー選手権初開催となる予定だったイープル・ラリー・ベルギーがキャンセルとなったことを失望したと認めながらも、その決定は正しい判断だったと語った。
 
 ヌーヴィルは現在、ドライバーズ選手権リーダーのエルフィン・エヴァンスから24ポイントのビハインドとなっており、ベルギーの秋の不安定な天候のなかでイープルが開催されれば、誰よりよく知っているステージで逆転タイトルを可能とするパフォーマンスを示していたかもしれない。

 選手権カレンダーが残り2戦から1戦へと減ったことで、自身のタイトルのチャンスはほぼなくなってしまったにもかかわらず、ヌーヴィルは運命を冷静に受けとめており、ここまで開催にむけて準備をしてきた主催チームの仕事ぶりを称賛した。

「もちろん(中止は)残念なことだ。しかし、正しい判断だ」とヌーヴィルはベルギー・メディアのRTBFにむけて語った。

「今日の状況ではスポーツは後回しだ。他に選択肢はなかった。それとともに主催者がイープルがWRCのカレンダーにふさわしいことを示してくれたことを忘れないようにしたい」

 最終戦のACIラリー・モンツァでは、ヌーヴィルは最大で30ポイントを獲得できるため、理論上はタイトルの可能性を残している。しかし、彼は今年はもうチャンピオンシップを考えていないと語った。

「タイトル争いについては諦めている。イープルのキャンセルでチャンスは最小限に抑えられてしまった。2020年は僕が戴冠する年ではない。今年はいい年ではなかった。6戦のラリーを走っただけで、あと2回開催されていたとしても、タイトルは素晴らしい味わいではなかっただろう」

 最終戦のACIラリー・モンツァは12月4日から6日まで開催される予定だが、ヌーヴィルはイタリアもベルギーと同じように厳しい状況であることを理解しており、すでに開催される可能性は低いと考えているようだ。

「今のところ、チームからはモンツァへの参戦がどうなるかについてはまだ知らされていないが、数日後にはすべてがまとまるだろう。今季最後のラリーがこのまま開催されるかどうかも注目されるが、みんなが早くいつもの状態に戻って2021年を迎えたいと思っている。僕らは何があっても前向きでいなければならない」