ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィルは、ラリー・ディ・アルバでチームメイトでありワールドチャンピオンのオイット・タナクを破って優勝を飾っている。
ヒュンダイは、ターマックのトレーニングとしてイタリア・トリノ近郊のクネオで先週末に行われたラリー・ディ・アルバにヌーヴィルとタナクのために2台のワークススペックのヒュンダイi20クーペWRCを投入している。
ヌーヴィルにとっては3月のラリー・メキシコ以来となるラリーイベントへの参戦となったが、圧倒的な速さで9ステージ中8ステージを勝利し、1月に行われたWRC開幕戦ラリー・モンテカルロでの勝利に続き、今季2度目の勝利を獲得した。
「スタートからステージに入ると、自分がどれほどラリーを恋しく思っていたかを実感したよ。僕はラリー以外の他のことはそれほど恋しく思わない。クルマの中で本当にいい一日を過ごせた」とヌーヴィルはフィニッシュで語った。
「今朝は最初の瞬間からとても良いフィーリングだった。僕たちはいくつか変更を行っていた。それが何のパーツかは言うつもりはないが、この週末は新しいパーツを装着して評価を行ってきた」
「それらは正しく機能していると感じていたし、本当にうまく機能した。僕たちはいくつかのパーツを交換して試したが、オイットと僕のこれらのパーツについてのフィードバックは非常に似ていた」
i20クーペWRCは、6月のフィンランド・テストから試され、一週間前のラリー・ディ・ローマ・カピターレでもダニエル・ソルドが実戦でテストを行っていた新しいリヤのエアロを今回も装着しており、フェンダー後部のベントはこれまでの水平ルーバーではなく垂直方向のルーバーになっている。
ヌーヴィルは、およそ5か月ぶりのラリー復帰戦でチームメイトのタナクに大きな差をつけて力強い結果で終えたことでシーズンの残りと今後に良い手応えを感じている。
「タイムも良く、マシンも速かったし、自分のパフォーマンスにも満足している。もちろんニコラ(コドライバーのジルスール)のパフォーマンスにもね」
「テストした新しいパーツについてもしっかりと報告を行ない、世界選手権に向けて重要なフィードバックをたくさん得て帰りたい」
「帰る前に、ヒュンダイに感謝したい。このイベントは、彼らがWRCに留まるために努力していることを示している。ここに仲間全員がいて素晴らしい週末を過ごせて本当に良かった」
タナクは、ドライターマックのモンテカルロで大きなクラッシュを喫しただけに今回は自身のアプローチに集中しており、チームメイトに22.4秒遅れて2位でフィニッシュしたことについても楽観的だ。タナクは3つのループのうち2つを適切なセットアップを探すことに使用し、最後の3つのステージでそれを見つけた。
「僕たちは良いセットアップの方法を見つけた」とタナクは語った。「一日の間に何度もセッティングを変えたが、最終的には最後のループですべてがまとまった」
また、今回のラリー・ディ・アルバには、ヒュンダイ・ジュニア・ドライバーのピエール-ルイ・ルベーが先週のラリー・スターズ・ローマ・カピターレに続いてヒュンダイi20クーペWRCを駆って出場、さらに印象的な走りを見せた。
昨年のWRC2チャンピオン(現WRC3ドライバー)であるルベーは、ヌーヴィルから55.5秒遅れの3位でフィニッシュした。彼はシェイクダウンではヌーヴィルとタナクを押さえてトップタイムを叩き出してみせたが、唯一のミスは2つ目のループのステージでのスピンのみだった。
また、カスタマースペックのヒュンダイi20 WRCを駆ったルカ・ペデソリも、マニュエル・ヴィラとペドロの2台のフォード・フィエスタWRCを抑えて4位となった。
ヒュンダイ・モータースポーツ代表のアンドレア・アダモは、ラリー・ディ・アルバをふりかえって、チームにとって大きな実りとなったと評価している。
「どう思うか、だって? 私が言えるのは、このラリーから2つを学んだということだけだ。ティエリーとオイットは、テストではなくラリーをしているときの集中力を持っていた。そして、ルベーが本当に速いということだ。彼は(ローマの時より)ギャップをさらに縮めた。それは彼にとって大きな一歩だ」