ERC2024/10/13

パッドンが連覇に向けて最終戦シレジアをリード

(c)RedBull Content Pool

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 FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)最終戦のラリー・シレジアの初日、BRCレーシング・チームのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)がリード、連続タイトル獲得向けて好スタートを切っている。一方、選手権2位につける選手権2位につけるAMDモータースポーツのマティユー・フランセスキ(シュコダ・ファビアRS Rally2)は5位に低迷している。

 ポーランド南部のホジュフで行われるラリー・シレジアは金曜日の夜にカトヴィツェ市中心部で行われたスーパースペシャルステージで開幕、地元ポーランドの英雄ミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRS Rally2)がファンの大声援に応える素晴らしい走りをみせてラリーをリードした。

 しかし、土曜日の朝、ラリーが郊外のターマックステージに舞台を移して本格的な戦いが始まるや、パッドンはいきなり素晴らしいペースを見せてトップに立つ。ほぼドライなコンディションとなったものの、きびしい寒さのため路面のグリップは低く、難しいコンディションとなったが、パッドンは土曜日の7つのステージのうち5つのベストタイムを奪って、イタリアのアンドレア・マベリーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)に6.8秒差をつけて初日を終えることになった。

 パッドンは選手権のライバルであるフランセスキに27ポイント差をつけて最終戦のシレジアに臨んでおり、スペアタイヤを2本搭載するという安全策をとりながらも圧巻の走りをみせている。「僕らはただドライブを楽しんでいるだけで、限界にはまったく挑戦していない。これ以上にプッシュし始めるとタイムを失うと思う。言うまでもなく、タイヤを追加したことで余分な重量を背負っているので、その分だけデメリットは大きいが、現時点では自分たちがやっていることで十分満足している」

 タイトルライバルのフランセスキが5位にとどまっているため、このまま順位が変わらなければ、パッドンは2年連続でERCタイトル獲得となる。「明日もクリーンかつ正確であることが鍵になるだろう」とパッドンは付け加えている。

 パッドンが素晴らしいスタートを切る一方、一番手でコースを走ることを選んだフランセスキは、特に朝のループでハンドリングの問題に悩まされた。路面温度が低いため、ダストに覆われたグリップの低いステージはさらに危険になったが、一方でインカットを防ぐ装置のために泥がかきだされてコースを汚すことはそれほどなかったこともフランセスキにとっては誤算だった。「奇妙なフィーリングだった。セットアップを変更してもなかなか正確なドライビングができなかった。明日でシーズンも終わりだし、楽しんでドライブしていきたい」

 ウェールズで行われた前戦のラリー・ケレディギオンでERC初表彰台を獲得したマベリーニは今回も安定したペースを刻み続けて2位で初日を終えており、チームMRFタイヤのチームメイトであるシモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が18.7秒差の3位につけている。

 金曜日の夜にスーパーSSを制したマルツィックは、SS3 のフィニッシュ間際にコースアウトして 5 位にポジションを落としたが、終盤までに4位まで巻き返して表彰台圏内まで4.4秒差に迫った。「(SS3では)最終コーナーのグラベルがでているところでコースアウトしてしまったんだ。ロングコーナーの出口がタイトに非常にぬかるんでいたが、アクセルを開けすぎてしまったんだ。僕のミスだが、数秒のロスで復帰できたのは幸運だった」

 現在選手権 3 位につけているマルツィックの12.4秒後方には、選手権2位のフランセスキがやっと終盤でペースを上げることに成功してグジェゴシュ・グジブ(シュコダ・ファビアRS Rally2)を抜いて5位で続いている。
 
 Mスポーツ・フォードのジョン アームストロング(フォード・フィエスタRally2)は初表彰台に野心をみせていたが、SS2でいきなりパワーを失うトラブルで14位へと後退、その後もコースオフやスピンでタイムを失う場面もあったが、2つのベストタイムを奪って7位へと挽回している。

 6月のフランス選手権でのクラッシュで負った重傷から回復し、ERCに復帰したヨアン・ボナート(シトロエン C3 Rally2)が復帰戦で8位で続いており、ポーランド選手権リーダーのヤロスワフ・セイヤ(シュコダ・ファビアRS Rally2)がそれに続いている。

 シーズン最終戦のシレジアは明日の日曜日に最終日を迎える。