トヨタGAZOOレーシングWRTは、フィンランドの若手、サミ・パヤリのWRCトップカテゴリーデビュー戦を、当初予定していたラリー・ラトビアから、パヤリの地元であるラリー・フィンランドに変更することを発表した。
パヤリとコドライバーのエンニ・マルコネンは、トヨタGRヤリスRally2で2024年シーズンのWRC2カテゴリーを戦っており、ラリー・イタリア・サルディニアで今季初優勝を飾っている。チームは当初、7月に開催されるラリー・ラトビアでパヤリにRally1カーを経験する機会を提供する計画だったが、これを変更し、8月1〜4日に彼の地元で開催されるラリー・フィンランドで記念すべきトップカテゴリーデビューすることになる。
トヨタは今回の変更について、パヤリ本人と相談し、彼のRally1デビュー戦が可能な限り最善のコンディションになることを考慮して決定したと説明しており、パヤリはチームの拠点のある中央フィンランド地域にて、ラリー・フィンランドで使用される道と非常に近いコンディションで事前テスト走行を行うことができる。
この変更により、ラリー・ラトビアの4台目の車両に新たな可能性が出たため、チームはフルシーズン参戦中のエルフィン・エヴァンスと勝田貴元に、WRCチャンピオンのカッレ・ロヴァンペラおよびセバスチャン・オジエを加えた4台体制で挑むことになる。
チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは、今回の変更について、パヤリに成長の機会を与えるとともに、選手権のためにもラトビアへの参戦体制を強化することが目的でもあったと語っている。
「サミが今回、彼の母国でありチームのホームでもあるフィンランドでRally1デビューを果たすことはとてもエキサイティングなことだ。自分がよく知っている道で新しいクルマに乗ることはアドバンテージだし、テストがフィンランドの道であることを考えれば、ラリー・フィンランドへの強力な準備になる」
「ラトビアと同様、フィンランドもサミにとって適した機会であり、彼のファンやイベント自体にとっても素晴らしいことだと思っている。フィンランドになったからと言って期待値を上げてプレッシャーを与えるようなつもりはなく、クルマに適応し、できるだけ多くの経験を積んでもらえればと思っている」
「私たちは若手ドライバーの育成に力を入れているが、同時に現在のチームの結果も最大限にしたいと思っている。そのため、ラトビアではそのまま4台を走らせ、元々予定していたカッレ、エルフィン、タカモトに加え、セブにも参戦してもらうことになった。セブは今年これまで非常に強い成績を収めており、接戦が続いている選手権を戦うために、チームの持っている力と経験を全て活かしたいと考えている」
パヤリは、母国フィンランドでRally1カーを走らせることは特別な感情がすると語っている。
「地元戦でRally1デビューできることはさらに特別なことだ。ラトビアは皆にとって新しいラリーであり、ある意味他のドライバーたちと平等なスタートだったが、僕はフィンランドの道ももちろんよく知っているし、テストもフィランドで行う予定なので、ラリー本番に近い道でクルマの準備ができることは大いに役立つだろう。感情的にも、フィンランドでこのチャンスをいただけることはさらに嬉しいし、本当に楽しみだ。フィンランドのステージでRally1カーに乗れるのは本当にクールであると同時に要求されることも多い。超高速ステージだし、空力の理解も必要となる。できる限り多くを学べるようトライするのみだ。夢が叶う瞬間でもあるので、もちろんこの機会を楽しみたいが、一番の目標は経験を積むことだ。本当にワクワクしているよ」