WRC2024/09/04

ピレリ、ギリシャはタイヤ管理と摩耗に注意

(c)Pirelli

 ピレリは、今週のアクロポリス・ラリー・ギリシャにはハードコンパウンドタイヤのスコーピオンKX HBをメインタイヤとして投入する。

 北欧の3つの高速グラベルラリーを終え、チャンピオン争いは大混戦となっている。北欧ではピレリのスコーピオンのソフトタイヤが活躍したが、アクロポリス・ラリーではハードタイヤが再び注目を集めそうだ。これはアクロポリスがシーズンの中で最も過酷とまではいかなくとも、非常にタフなイベントのひとつであることを考えれば、伝統的であり、また必然的な選択でもある。その理由は次の通りだ。

・硬くて石の多い路面が、タイヤだけでなくマシンにとっても負担となる。
・汚れた砂の路面は、出走順が遅いドライバーにとって有利となる。
・山岳ステージの持つツイスティな性質

 さらにこの時期のギリシャは全般的に気温が高く、猛暑とまではいかないものの、土曜日の予報では激しい豪雨に見舞われる可能性がある。クルーにとってはタイヤ戦略に揺らぎが生じ、複雑な選択を迫られることになりそうだ。さらに、昨年のアクロポリス・ラリーと比べると、ルートにもいくつか複雑な変更点があり、ドライバーやマシンはもちろん、タイヤにとっても不確実性が増している。

 ピレリのラリー・アクティビティ・マネージャーを務めるテレンツィオ・テストーニは次のように語った。

「ここ数年、アクロポリスは過去と比べて路面が穏やかになったとはいえ、非常に壮観で面白いラリーであることを証明してきた。戦略やタイヤマネジメントのミスやドライビングのミスの危険性は常に潜んでおり、しばしば目にしてきたとおり、非常に高い代償を払うことになる。タイヤの選択に関しては、スコーピオンが提供する強度と性能の適切なバランスを考慮しても、ギリシャでは摩耗が激しくなる可能性があるため、特に注意を払う必要がある」

 アクロポリス・ラリーでは、Rally1カーはスコーピオンKX HBのハードコンパウンドがメインタイヤとなる。このタイヤは、気温が高く最も摩耗の激しいロングステージで強度を見せ、耐久性にも優れている。オプションタイヤはソフトコンパウンドのスコーピオンKX SBで、スリッパリーでグリップの低い路面でも最適なグリップを確保できる汎用性の高いタイヤだ。

 レギュレーションでは、メインタイヤ28本とオプションタイヤ8本が使用可能と定められているが、クルーが選択した場合、プライムタイヤの本数を4本減らし、オプションタイヤの本数を12本まで増やすことができる。シェイクダウンを含めてこの週末に使用できるタイヤは最大28本となる。

 ギリシャの他カテゴリーでは、シェイクダウンを含めてこの週末に使用できるタイヤは最大26本となる。Rally2マシンではスコーピオンK6B(ソフト)と新しいK4C(ハード)、Rally3ではK6A(ソフト)とK4A(ハード)を使用する。これらのカテゴリーでは、メインタイヤ26本とオプションタイヤ8本が割り当てられる。クルーはオプションタイヤの数を12本まで増やすことを選択できるが、その場合はメインタイヤの数を4本減らす必要がある。