ピレリは、夏の高速グラベル3連戦の締めくくりとなるラリー・フィンランドに向けてソフトコンパウンドタイヤであるスコーピオンKX WRC SBをプライムタイヤ(メインタイヤ)として投入する。
ラリー・フィンランドは、選手権中もっとも長いジャンプと最高速度を誇り、過去数年にわたって壮大なアクションを提供してきた。全20SSで構成される2024年イベントも、ドライバーズ選手権とマニュファクチャラーズ選手権争いがまだ非常にオープンであることから、大接戦になる要素はすべて揃っている。
今回もまた、週末を通して時折雨が降るものの、それほど激しくはならないと予報されている。ドライバー、マシン、タイヤにとって、最高速度や平均速度が速いにもかかわらず低いグリップ、よりテクニカルなセクションが点在するナローな直線ステージ、時に60m近くに達するロングジャンプは、路面の湿り気が増すことによってさらに大きな課題となる可能性がある。
フィンランドでは、新世代のソフトコンパウンドタイヤであるスコーピオンKX WRC SBがメインタイヤとなる。このタイヤは、前モデルと同レベルの性能を発揮しながら、より高い耐久性と耐摩耗性を確保するために構造が変更されている。オプションタイヤはハードコンパウンドのスコーピオンKX WRC HBで、摩耗の激しい路面やロングステージに適している。
レギュレーションにより、Rally1カーの各クルーはプライムタイヤを28本、オプションタイヤを8本まで使用できる。クルーが希望すればオプションの本数を12本まで増やすことができ、その場合プライムの本数は4本減る。シェイクダウンを含めて28本までのタイヤが使用可能となる。
ラリー・アクティビティ・マネージャーを務めるテレンツィオ・テストー二は次のように語った。「フィンランドはスタート前から勝敗が決まり得るラリーだ。なぜなら、このような高速でナローなステージでは、レッキとノートの正確性がすべてを左右する可能性があるからだ。これらのステージは低グリップが特徴で、ロングジャンプが多いためさらに過酷だ。スコーピオンは、使用範囲が広く、耐久性に優れているため、このイベントに最適なタイヤだ。いつものように、摩耗の兆候はほとんど見られないが、タイヤには大きな力がかかる。また、ここ数年そうであるように、ラリー・フィンランドが世界選手権で最も興味深いラウンドのひとつであることを証明するような、素晴らしいショーを目撃できることを期待している」
その他のカテゴリについては、フィンランドではRally2マシンはスコーピオンK6B(ソフト)と新型K4C(ハード)、Rally3マシンはK6A(ソフト)とK4A(ハード)を使用する。これらのカテゴリでは、メインタイヤ26本とオプションタイヤ8本が割り当てられる。クルーは後者を12本に増やすことが可能で、その場合メインタイヤは4本減る。シェイクダウンを含めて26本までのタイヤが使用可能となる。