WORLDWIDE2020/07/16

フットネン、ボヘミアで地元チェコ勢を脅かす速さ

(c)Jari Huttunen

(c)Jari Huttunen

 チェコ・ラリー選手権は、7/10-12のボヘミア・ラリーにおいて新型コロナウイルスで大きく遅れていたシーズン開幕を迎えることになり、ユーロオイル・チームのヴァーツラフ・ペッシ(フォード・フォーカスRS WRC06)が逆転優勝を飾り、シュコダ・モータースポーツのヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアRally2 エボ)は9度目の優勝はならなかった。しかし、地元出身の二人よりも週末の話題をさらったのは、このイベントへ初挑戦したフィンランドのヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)のスピードだった。

 ヒュンダイ・ポーランド・レーシングからフットゥネンは初日、雨あがりの路面が次第に乾き始めるという地元のベテランでさえ苦しむトリッキーなコンディションのなかでラリーをリード、初日をそのままトップでフィニッシュ、0.6秒差の2位にコペツキ、2.1秒差の3位にはペッシが続き、ここまでは完全に互角の勝負をすることになった。

 しかし、最終日はドライとなったとはいえ、路面にはかきだされたグラベルが覆い、新たな試練が待っており、フットゥネンは新しいセットアップに苦しんでペースダウン、コペツキとの首位争いを6.4秒差で制したペッシがラリー・ボヘミアで2勝目を飾ることになった。2日目に苦戦したとはいえ、フットゥネンは昨年のERCジュニア1王者のフィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアRally2 エボ)を押さえて3位でフィニッシュすることになった。

「土曜日は良い一日だったよ。朝のループはウエットで難しいと感じたが、それでもタイムが良かったので自分たちには合っていたようだね。午後は道が乾いていて走りやすくなったが、僕らには完璧に近い日だったと言えるよ」とフットゥネンは語った。

 フットゥネンはさらに良いペースを見つけるためにセットアップをいじったことが失敗だったと反省した。

「マシンのセットを変えたらうまくいかなかった。朝の最初のステージですぐに、クルマが硬すぎると気づいた。3つ目のステージでは何度かミスをしてしまい、およそ22kmで25秒もロスしたので勝負にならなかったよ。午後は土曜日のセッティングに戻したが、遅すぎた。土曜日は僕らにとって素晴らしい日だったが、日曜日はそうではなかった。複雑な気分の週末になったが、久しぶりのターマックでの走行は、グラベルのようなアットホームな感じではないものの、とても気持ち良く走れたことは確かだ」

 フットゥネンは、3週間足らずでイタリアで行われるラリー・ディ・アルバにヒュンダイ・モータースポーツから参戦することになり、9月にはふたたびヒュンダイ・ポーランドのi20 R5でラリー・エストニアに参戦する。