WRC2019/10/24

ミークがシェイクダウン最速、勝田が5番手タイム

(c)Toyota

 2019年世界ラリー選手権第13戦ラリー・デ・エスパーニャのシェイクダウンが木曜日に行われ、トヨタGAZOOレーシングWRTのクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が地元のヒーローであるダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)を0.3秒差で下してシェイクダウンのトップタイムを奪うことになった。

 青空が広がった朝を迎えたラリー・デ・エスパーニャの木曜日、シェイクダウンは朝8時からサロウのサービスパーク近くの2.00kmのグラベルとターマックのミックス路面をもつ特設ステージで行われた。火曜日にサロウに土砂降りの雨が襲ったため、街中が水浸しとなり、シェイクダウンのコースも池のような状態となったが、水曜日には水を排出する作業とともにグレーダーとブルドーザーの6台の重機によってグラベルのコースはきれいに整地されて木曜日を迎えている。

 シェイクダウンのグラベルセクションは、雨で湿ったことでさらに柔らかくなっており、ラリー本番のステージとキャラクターがまったく異なることからドライバーたちもここでは本気で攻めることはない。走行を重ねることで深いわだちが刻まれれば、昨年のティエリー・ヌーヴィルがそうであったように横転するリスクも生じることになる。1回目の走行でヌーヴィルがトップタイムを奪うや、走行を重ねるうちに湿っていた路面も少しずつ乾きはじめ、2回目の走行ではソルドがトップタイム、3回目の走行ではミークがタイムを塗り替えてシェイクダウンの一番時計を記録することになった。

 レッキ初日はあまりの雨で路面が見えないところもあったため、主催者は木曜日の朝に特別にルートノートカー(グラベルノートクルー)を初日のグラベルステージを走らせて路面の最新の情報を収集することを急遽認めることになったが、ミークはこれを歓迎している

「その措置は明らかに必要だった」とミークは語った。「大雨の後、ステージには路肩の一部が落ちたり、汚れが道路に落ちてコーナーを狭くしている可能性があるわけだが、僕らはそれを認識していない。しかし、これでタイヤの選択についてもステージの準備についてもいいアプローチができるだろう」

 ミークから0.7秒差の3番手にはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)、4番手にはテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が続き、トヨタ・ヤリスWRCでの2戦目のWRCに挑む勝田貴元がトップから1.3秒差の5番手タイムで続いている。

 6番手には選手権リーダーのオイット・タナクが続いている。この週末に勝利すれば初の王座が決まることになるが、彼はさわがしいメディアを余所にいつものようにリラックスした様子をみせていた。「これはただの次の一戦にしかすぎない。確かにプレッシャーはあるが、それについて考える意味もない。近づいているように感じるかもしれないが、まだこれからだ」

 選手権のライバルであるセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)は8番手、ヌーヴィルは9番手でシェイクダウンを終えている。