ERC2022/03/29

ヤレーナ、ERC初優勝で地獄から天国へ駆け上がる

 先週末に行われたアソーレス・ラリーにおいて、ヨーロッパ・ラリー選手権で劇的な初優勝を飾ったエフレン・ヤレーナは、MRFタイヤにはERC勝利がふさわしいというスタート前の言葉を証明することになった。

 雨と風というサンミゲル島特有のトリッキーな気候のなか、地元のリカルド・モウラがアソーレスをオープニングSSからリードしたが、最終日にじわじわと追い上げたヤレーナが6.1秒遅れで迎えた最終ステージで見事に逆転で勝利することになった。

 今季からチームMRFタイヤのドライバーに迎えられたヤレーナは、開幕戦ラリー・セーハス・ダ・ファフェではラジエーターの破損やさまざまなトラブルに苦しみ12位という最悪のシーズンスタートとなったが、アソーレスではパワーステージも最大ポイントを獲得して最高の勝利を飾っている。

「本当にハードにプッシュした。死にもの狂いでプッシュしたけど、脳なしではなかったから大丈夫だったよ!」とヤレーナは語った。

 ヤレーナは、昨年もアソーレスの最終ステージでモウラを逆転して3位となっている。今年も残り2ステージの時点でのビハインドは14秒近くあったため、追いつくことは困難であるかにもみえたが、素晴らしい走りをみせて逆転勝利につなげることになった。

「時にはリラックスして、最後の瞬間にアタックすることも必要だ。リカルド(・モウラ)はいつものように良い走りをしていたし、いつもとても速い。特に2日目の最初のループでは、雨が降るとは思っていなかったので、ハードタイヤの僕らはとても大変だった。でも最終ループでは、僕は4本の新しいハードタイヤで、リカルドの新しいタイヤは2本のソフトだったので、最終ステージではいいタイヤをもっていたことはわかっていた。第1コーナーから最終コーナーまでプッシュして勝利を手に入れたんだ」

 開幕戦に勝利したニル・ソランスがここを欠場したため、ヤレーナは選手権でアルミンド・アラウージョに続く2位へと浮上したが、アラウージョは次戦への参戦を予定していないため、ヤレーナは事実上の選手権リーダーに立ったことになる。まさしく開幕戦の地獄から天国へと駆け上がった。

「夢のようだよ。これまでも何度も表彰台に上ったが、僕らを支えてくれる家族や友人たちの期待に応えることができた」とヤレーナは語った。

「コドライバーのサラ(・フェルナンデス)も僕も、父も友人も、スポンサーも、このために本当に大きな努力をしてくれてきた。そしてMRFタイヤは、本当によく開発してくれていて、常に改良、改良、改良を続けてくれている。僕たちは家族のようなもので、とても素晴らしいチームなんだ」