木曜日にテスト中の事故で亡くなったアイルランドのクレイグ・ブリーンは、生まれながらにして情熱的なラリードライバーだった。
トヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、33歳の若さで亡くなったブリーンへの惜別のメッセージをソーシャルメディアで公開した。
ブリーンは、ラリードライバーであると同時に情熱的なラリーファンだった。ラリーの歴史にも詳しく、ここ数年、MGメトロ6R4、フォード・エスコート・コスワース4x4、フォード・シエラRSコスワースといったヒストリックカーでのラリーを楽しんできた。
トヨタのチーム代表であるラトバラは、プライベートでは自身のヒストリック・ラリーカーで熱心にラリーに参戦しており、ブリーンとは古いラリーカーへの情熱を共有してきたというエピソードを披露、愛すべき友人の死を悼んだ。
「クレイグは私と同じ情熱を持ち、古いラリーカーとそれを運転することを愛していた。彼とは新しい車の話をすることはなく、1990年代のラリーの思い出をいつも共有してきた。それらは私たち2人にたくさんの笑顔とエネルギーを与え、このスポーツへの愛情を高めてくれました」とラトバラは書いている。
「クレイグは、人生で最もやりたかったこと、ラリーカーのドライブをやりぬいた。私は以前、彼が幼い頃、ペダルカーでラリードライバーになりきって遊んでいた映像を見たことがある。これは、ラリーというスポーツに対する真の情熱を物語っていたよ」
ラトバラが言う動画のいくつかはブリーンが残したインスタグラムでいまも見ることができる。ブリーンが2021年3月に公開した動画では、黄色のポロシャツを着た少年時代のブリーンが、アイルランド・チャンピオンだった父親のレイ・ブリーンが読み上げるペースノートに従ってビデオゲームを楽しむ様子が映し出されている。
「動画の中の僕は9歳だった。『コリン・マクレー・ラリー』のオリジナルのペースノートは間違った方向で、僕の要求を満たしていなかった。だから自分で書く必要があったよ!」とブリーンはこの動画についてコメントを添えている。「僕は子どものときからこのスポーツへの情熱に溢れていた。その情熱を支え、あらゆることをしてくれた家族に囲まれていたことはとても幸運だった」
ラトバラは、同じようにラリーへの情熱にあふれていたブリーンが事故で亡くなったことをまだ受けとめることができていないことを認め、「人生はとても不公平に思える」と付け加えている。
「クレイグが亡くなって、人生はとても不公平に思える。受け入れるのはとても難しいが、誰もこの世での日数の長さを決めることはできない。人生は続き、毎朝、新しい一日が始まる。クレイグはきっと永遠に私たちの物語に残るだろう。安らかに眠れ、友よ」