WRC2021/01/10

レウティネン、古巣トヨタの首脳部に復帰

(c)Toyota

 ヤルモ・レウティネンは、今シーズンからふたたびトヨタGAZOOレーシングWRTにおいてチームマネジメントの要職に就くため、ラリー界のトップレベルでのコドライバーとしての最後の仕事を辞め、テーム・スニネンの元を離れることになった。

 ミッコ・ヒルボネンのコドライバーとしてWRCで15勝を挙げた経歴を持つレウティネンは、まだトヨタがWRCに復帰する以前からチームに関わり、ジュニア育成ドライバーの勝田貴元のトレーニングプログラムを担当、2017年の夏まではチームのスポーティングディレクターを務めていた。その後、チームを離れたあとコドライバーの仕事を再開、昨年のサルディニアから13戦にわたってスニネンとコンビを組んできた。

 レウティネンは、週明けからトヨタGAZOOレーシングWRTのイベントディレクターに就任し、ユヴェスキュラを拠点とするチームにおいてスポーティングディレクターを務めるカイ・リンドストロームと役割を分担することになるという。

 レウティネンは、この決定についてMスポーツ・フォードの今季の参戦プログラムにおいてスニネンがフル参戦のシートを失ったことに起因していると明かしている。

「移籍の理由は、僕はもうティーンエイジャーではないし、安定した収入が必要だということに気付いたからだ」と52歳のレウティネンは語った。

「テームの元を去ることは本当に悲しい。僕たちは良い計画を立てていたし、すべて良い方向に向かっていたのに、忌々しいCOVID-19が来て全てを1年延期することになった」

「(2019年の途中で)テームのコドライバーを始めたとき、僕は2年か3年はやりたいと言っていたが、彼は今季のMスポーツで限定的なプログラムしか得られず、2022年の保証もないため、僕はトヨタの安定した雇用のオファーを本気で検討しなければならなくなった。そしてテームとマネージャーのティモ・ヨウキと建設的に話し合いを重ね、僕が移籍することに合意した」

「トップレベルにおいて、僕のコドライバーとしての仕事はこれで終わりだ。今は新しい仕事に注力しているし、楽しみにしている」

 2年半ぶりに復帰するトヨタには、レウティネンをチームに誘ったトミ・マキネンはすでに去っているが、新たにチーム代表に就任したヤリ-マティ・ラトバラや以前はコドライバーだったカイ・リンドストロームといったおなじみのメンバーが待っている。

「2年半前はそこにいたんだ。でも、イベント主催者やFIA、プロモーターと仕事をして、最終的にはラリーカーの世界に戻ってきた。今の自分の履歴書を見ると、(トヨタを離れたのは)正解だったと思う。なぜなら、スポーツのあらゆる面から多くの経験を得られたからね」

「戻ってきて唯一違っていたことは、カイが僕の上司だということだ。以前は僕が彼の上司だったからね。でも、今では彼がスポーツディレクターだ! 先日、ヤリ‐マティと僕はそのことについて笑っていたんだ。僕たちは以前と違うシャツを着ているだけで、また一緒だってね。実際、カイ、ヤリ-マティ、そして僕がこのようなチームでこのような役割を担っていることを本当に誇りに思っているよ。トミ(・マキネン)に感謝しなければならない。歴史的にフィンランド人ドライバーやコドライバーが良い成績を収めてきたことは周知の事実だが、フィンランド人がこのような役割を担ってスポーツ界のトップに立つことはあまりない。僕たちの世代が、それを実現している」

 また、レウティネンとかつてコンビを組んでいたヒルボネンもチームに加わり、ラリー・モンテカルロではカッレ・ロヴァンペラのアイスノートクルーとして働くことになるという。