WRC2024/02/04

ロヴァンペラ、勝利まで残り500mでストップ

(c)Ralli SM

(c)Kalle Rovanpera

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのカッレ・ロヴァンペラは先週末にフィンランドのロヴァニエミで開催されたアークティック・ラップランド・ラリーでシーズンを始動、素晴らしいペースを見せたが、最終ステージでメカニカルトラブルのためにマシンを止めることになった。

 今季のWRCにパートタイムで参戦するロヴァンペラは、彼にとって今季初戦となるラリー・スウェーデンに向けた準備として、チームメイトのエルフィン・エヴァンスとともに先週末に行われたアークティック・ラップランド・ラリーに出場して高速のスノーステージにおけるGRヤリスRally1の感触を確かめることになった。

 金曜日と土曜日の2日間にわたっておよそ200kmで開催されたラリーで、ロヴァンペラは初日の5ステージのうち4ステージを制してエヴァンスに24.6秒の大差をつけてリード、最終日も1ステージを逃しただけで5つのステージでベストタイムを奪い、チームメイトとの差を54.5秒に広げる圧巻のペースをみせることになった。

 しかし、ロヴァンペラは最終ステージのサルリオヤルヴィ・ステージの残り500m地点でマシンをストップ、EVモードでステージエンドには辿り付けたもののローディン・オーキオのポディウムに向かうことはできなかった。

「残念ながら技術的な問題で最後の 500 メートルで前に進めなくなってしまったんだ。少しマシンを押していただけないだろうか」とロヴァンペラはステージエンドで笑みをみせている。

 ロヴァンペラにとってアークティック・ラップランド・ラリーでは2020年に続く2度目の優勝にはならず、優勝はエヴァンスのものとなった。それでも彼は初日の夜、冬のラリーの感触をつかみ、2週間後のラリー・スウェーデンに向けて理想的な準備ができていると自信をみせていた。

「重要なのはこのような雪のコンディションでマシンを走らせることだ。僕らは昨年はスウェーデンであまり強くなかったし、年末のウィンターテストでも、まだ十分にクルマは走らなかったからね。でも、今はかなり多くのことを達成できた」とロヴァンペラは語っていた。

「路面のコンディションも良かったし、マシンもかなり改良されている。その意味でポジティブな1日だった、僕らは一歩前進した。少なくとも、僕らがどこにいるべきかという見当はついたし、運転していてとても楽しかった」

 トヨタのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは地元メディアの『Rallit』において、ロヴァンペラがマシンを止めることになった理由を明かしている。

「オイル漏れがあり、エンジンのオイルプレッシャーが下がったため、ストップせざるを得なかった。彼はフィニッシュの1キロほど手前でマシンを止めてしまったため、ハイブリッドモードで動かなければならなかった」とラトバラは説明、この問題をラリー・スウェーデンで心配する必要はないと強調した。

「テストカーのパーツはかなりの距離を走っている。ラリーカーには常に新しいパーツが使われている。走行距離の関係で、古い部品には新しい部品よりもダメージが発生しやすい。テストでは古い部品が使われ、問題のリスクが少し高くなる。今回もそうだった」

「問題は大したものではなく、大事なことはテストをきちんと終えることだったし、カッレはクルマにとても満足していた」

 ラトバラもユホ・ハンニネンとともに自身のトヨタ・セリカGT-FOURを駆って出場しており、フィンランド選手権のトップランナーを相手にこのヒットリックマシンでトップ10につける速さをみせたが、トランスミッションのトラブルで残念ながら総合20位でのフィニッシュとなっている。

 なお、フィンランド選手権ではミッコ・ヘイッキラが逆転優勝、トヨタGRヤリスRally2に初勝利をもたらしている。