RallyCross2020/04/21

世界ラリークロス選手権のEV化は2022年に延期

(c)FIA

 FIAは世界ラリークロス選手権をEV化する計画を2022年に延期することを決定した。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってもたらされた経済的課題のため、2021年から世界ラリークロス選手権にEVを導入する計画を1年延期することが、20日に行われたワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)の電子投票で承認されたことをFIAは発表した。

 FIAによればこの決定は、世界ラリークロス選手権のプロモーターであるIMG、およびEVキットの公式サプライヤーであるクライゼル・エレクトリック、およびGCKエナジーと協議して行われ、すべての当事者が現在競技に参戦しているか、あるいはこれから参戦しようとしているチームを中心に構築された持続可能性とコスト管理を核として考案された戦略に引き続き取り組むことになる。

 ジャン・トッドFIA会長は次のようにコメントした。

「競技への参加者たちがこうした現在の状況にさらに適応して投資するための時間を確保するために、EVマシンへの切り替えを1年延期する必要があったが、FIAは世界ラリークロス選手権の新たな地平への取り組みを続けている。これによって最も費用対効果の高い環境を作り出されるはずであり、このFIA選手権においてEVマシンの急速に発展したパフォーマンス能力が実証されることになるだろう」

 世界ラリークロス選手権のプロモーターであるIMGのモータースポーツイベントのシニアバイスプレジデントであるポール・ベラミーは次のように述べている。

「我々は、世界ラリークロス選手権へのEV導入を2022年まで遅らせる決定を支持する。この段階では、新しいFIA eRXジュニア選手権の計画はこの決定の影響を受けず、このカテゴリーのEV化に向けた取り組みは2021年まで続く。FIA、チーム、パートナーと共に、ラリークロスのEVによる未来に取り組んでいるが、これらの困難で不確実な時期に健康と幸福に焦点を合わせることが賢明であると信じている」

 クライゼル・エレクトリックのCEO、フィリップ・クライゼルは次のようにコメントした。

「世界的に見て、我々は前例のない時を経験しており、未来がもたらすことをあえて予測することはできない。最も重要なのは、現在の状況を受け入れ、生命を守ることだ」

「これが起こっている間は、システムの再起動ボタンが再び押されてもいいように準備する必要がある。これがいつ起こるかわからないけれど、FIAのアプローチと最初の世界ラリークロス選手権のEVレースシーズンを2022年に延期する決定を我々は支持する」

「このプロジェクトへ情熱を傾けてきたので、来年、EV化されたラリークロスマシンを見ることができないのは残念だが、それでもこの一致団結した状態を維持することで、世界ラリークロス選手権のEV化が実現したときに大きな成功を収めることができると確信している」