WRC2025/02/09

優勝候補の勝田、チームのためにも最善を尽く

(c)Toyota

 ラリー・スウェーデンに向けての最終準備を終えた勝田貴元は、週末の戦いが天候に左右されることになると予想しつつも、昨年のようなパフォーマンスをみせてチームの選手権に貢献することが目標だと語っている。

 トヨタは先週、フィンランドのミッケリにある新しい常設テストサイトで、ラリー・スウェーデンに向けた準備の最終仕上げを行なっている。カッレ・ロヴァンペラ、エルフィン・エヴァンスがテスト走行を行なったのに続き、勝田も木曜日にはテストを担当し、トヨタGRヤリスRally1のステアリングを握っている。

 勝田はシーズン唯一のウィンターラリーに向け、新しいハンコックのウィンタータイヤを装着してセットアップの微調整を行いながら、凍結した路面で自信を持ってクルマをプッシュして走らせている。

 勝田は1年前のラリー・スウェーデンでは、ヒョンデのエサペッカ・ラッピとトップを争っていたが、土曜日にドライビングミスを犯し、リタイアに追い込まれている。これにより、ラッピが自身2度目のWRC勝利を手にすることになったが、常にこのイベントへの相性の良さを感じている。

 今年の目標が世界ラリー選手権で初優勝を飾ることだと語っていた勝田は、スウェーデンでそのチャンスがあると感じているはずだが、「チームのために最善を尽くす」との控えめな言葉でこの週末について語っている。

「ラリー・スウェーデンはお気に入りのラリーのひとつなので、チームのために最善を尽くすつもりです」と勝田は語った。「今回はタイヤも新しくなり大きなチャレンジとなるので、スノーロードでのフィーリングはきっと以前とは少し異なると思いますが、上手く適応できるように頑張ります」

 開幕戦のラリー・モンテカルロは勝田にとっては不本意な結果となった。ラリーウィークを通じて体調がすぐれず、それがパフォーマンスに影響した。さらに悪いことに、最終日にコースオフしてリタイアを余儀なくされている。

 こうしてシーズンのスタートは不調に終わったが、それゆえ明るい兆しもある。スウェーデンでは勝田は初日に7番手という有利な走行順でスタートできる。天候が彼を味方してこのアドバンテージを生かすことができれば、再び優勝争いに加わることができると。

「このラリーは、自分たちが直面する状況によって、多くのことが左右されると思います。もし昨年のように雪が大量に降れば、自分たちの出走順はきっと有利になるでしょうが、純粋なアイス路面だったとしたら、自分たちにとってはより難しい状況になるはずです。もちろん雪が多く降ることを期待していますが、どちらにしてもベストを尽くして戦います」と勝田は付け加えている。

 ラリー・スウェーデンは2月13日〜16日にウーメオ周辺で開催される。