JAPAN2023/07/10

勝田範彦、ラリー・カムイで今季全日本初優勝

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

　2023年全日本ラリー選手権第6戦ARKラリー・カムイが7月8〜9日に行われトヨタGAZOOレーシングWRJの勝田範彦／木村裕介（トヨタGRヤリスJP4-Rally2）が全12ステージのうち11ステージを制して今季初優勝を飾ることになった。

　スバルSTIは、SUBARU RALLY CHALLENGEとして今季の全日本ラリー選手権に新井敏弘と鎌田卓麻の2台体制で参戦しているが、5月に発生したテスト中の事故で鎌田と同乗者のエンジニアが負傷しており、アクシデントの原因を究明中であることから前戦に続いてラリー・カムイでもエントリーを直前で取り消しており、新井はシェイクダウンだけ参加して、残念ながら出場を見送っている。

　スバル勢を2戦連続して欠くことになった全日本は、ラリー・カムイで今季初のグラベルラウンドを迎えることになったが、いきなり10.35kmのオープニングステージで波乱が発生することとなった。

　第2戦新城ラリーから第4戦ラリー丹後まで3連勝している選手権リーダーのヘイッキ・コヴァライネン（シュコダ・ファビアR5）が9km地点でコースオフ、リタイアとなってしまった。

　このステージでベストタイムを奪ったのは勝田だ。TOYOTA GAZOO Racing が来季のホモロゲーションを目指すGRヤリスRally2の先行開発を手がける勝田は、これまでのターマックラウンドではブレーキのフィーリングが合わずにリズムに乗れないラリーが続いてきたが、初のグラベルラウンドでは最初からペースをつかむことに成功、2番手タイムの福永 修／齊田美早子（シュコダ・ファビアRally2エボ）に9.6秒差をつけてラリーをリードする。

　コヴァライネンが消えたあと二人の首位争いの展開になるかにも見えたが、連続ベストを刻んだ勝田に対して、路面掃除に苦しむ福永はSS2でパンクのために41秒を失って4位へと後退、16.2秒差の2位にはJN-2クラスの奴田原文雄／東 駿吾（トヨタGRヤリス）が浮上する。

　勝田はこのあともSS5まで連続してベストタイムを重ねて快走、この日の最終ステージこそ奴田原にトップタイムを譲ることになったが、22.4秒をリードして初日を終えることになった。

　勝田は最終日もベストタイムでスタート、セットアップを変更したマシンにしっくりとしたフィーリングが得られないにもかかわらず好調をキープ、最終日の6ステージすべてを制して、後続の奴田原との差を57.8秒に広げて今季初優勝を飾ることになった。

　総合2位の奴田原はJN-2クラスで今季4勝目を達成、福永がトップから1分42.5秒遅れの総合3位/JN-1クラス2位でフィニッシュしている。

　また、JN-3クラスは山本悠太／立久井和子（トヨタGR86）、JN-4クラスは香川秀樹／松浦俊朗（ホンダ・シビック）、JN-5クラスは松倉拓郎／尼子祥一（マツダ・デミオ）、JN-6クラスは天野智之／井上裕紀子（トヨタ・アクア）がそれぞれ優勝を飾っている。