トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのドライバーたちは、GRヤリスRally1のカラーリングが真夏の世界ラリー選手権ではシルバーに変更されることを歓迎している。
セバスチャン・オジエを筆頭に、トヨタのドライバーたちは夏季に向けてチームがカラーリングの変更を選択したことへの感謝の声を上げている。
今月のラリー・ポルトガルから、GRヤリスRally1は新たなシルバーのカラーリングを採用。これは夏季の期間限定で、2024年初めに導入された黒のカラーリングに代わるものとなる。
2022年にRally1のレギュレーションが適用されて以来、コドライバーの足下をエキゾーストが通る影響で、コクピットの温度上昇が深刻な問題となっていた。さらに黒は熱を吸収しやすい色であるため、トヨタはこれまでもルーフをシルバーにして車内の温度上昇を抑えるようにしていたが、2025年に向けてその対策をさらに強化し、サマーイベントではマシン全体をシルバーにすることにしている。
以前から夏場における黒のカラーリングへ不満を述べていたカッレ・ロヴァンペラも、コクピットが涼しくなることはかなり重要だと認め、この新しいカラーリングはその助けになるだろうと語っている。
「クルマ全体とすべてのパーツにとって車内を少しでも涼しく保つことはとても重要だ。もちろんそれは僕たちにとって本当に重要なことなんだ」とロヴァンペラは語った。
「これから本当に暑いラリーがあるし、車内は本当に灼熱になるからね。だから、この変更が少しでも役立ってくれることを期待している」
黒のカラーリングはトヨタのモータースポーツ全体に共通するカラースキームであり、そう簡単に変えるわけにはいかないという事情もあっただろう。オジエはドライバーにとって快適なドライビング環境を用意してくれたチームに感謝していると語っている。
「シルバーもいいね。黒のカラーリングはすごく格好良くて好きだったけど、夏の間はコクピットの中が非常に暑くなるし、少しでも温度を下げるための解決策見つけていくことが僕たち全員の願いだったんだ」とオジエは語った。
「そう言う意味では、チームが僕たちに応えてくれて、このカラーリングにしてくれたことは嬉しいし、夏らしくちょっと新鮮な感じで、ファンの人たちにも気に入ってもらえると思うよ」
皮肉なことに、トヨタのテスト日の多くはウェットコンディションで、温度の問題はあまりなかったという。
現在選手権リーダーのエルフィン・エヴァンスは、黒のカラーリングが個人的にはお気に入りだと明かしているが、暑い季節に関して違ってくると述べている。
「正直に言って、僕はこの黒のカラーリングの大ファンではある。でも外気温が30度超えで車内がさらにずっと暑くなるとまた話は別だ」
「だから、夏のラリーに、より適した色になるのはもちろん歓迎すべきことだ。そしてもっと気温が下がってきたら、また黒のカラーリングを楽しむことができるんじゃないかな」