Raid2025/01/05

嵐の前の静けさ、トヨタのキンテーロが首位に

(c)RedBull Content Pool

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 2025ダカールの開幕ステージは、多くのトップドライバーたちが翌日以降の戦略のためペースを上げない静かなスタートとなり、トヨタGAZOOレーシングのセス・キンテーロ(トヨタGRハイラックス・エボ)がリード、XレイドMINI JCWチームのゲラン・シシェリ(MINIジョンクーパーワークス3.0)が55秒差の2位で続く展開となっている。

 ダカール前半戦のヤマ場となるマラソンステージである48時間クロノ・ステージの初日が日曜日に始まるため、土曜日のオープニングステージでは好成績を収めたとしても上位のドライバーたちは日曜日にコースオープナーを務めることになるためタイムはあっという間に相殺されることになる。そのため2025年のダカール・ラリーで優勝を狙う人々の土曜日の戦略は明らかだった。

 2日間にわたる960kmのマラソンステージで、クルーは途中でタイヤを交換する以外は、外部からの機械的な支援は一切受けられない。日曜日はダカールの残りのレースの方向性を決めるものになる可能性があり、どのクルーも先頭車両となって深刻なタイムロスを犯すリスクを冒さないよう土曜日は慎重なペース運びとなった。

 ダカール5度の優勝者であるナッサー・アル-アッティーヤ(ダチア・サンドライダー)は土曜日の序盤でパンクしたものの、13分13秒遅れの21位でフィニッシュすることになったが、彼は急ぐ理由はなかったと冷静にふり返っている。「最後の10kmでタイヤがパンクしたので止まらなければならなかったが、その後、明日のために少なくとも良い路面位置を確保するために15分間停止することにした」と彼は説明した。「周りのドライバーたちに比べてかなりタイムをロスしたかもしれないが、明日は我々にとってとても重要なことだ。50番手からスタートできれば最高だ。昨年から多くのことを学んだが、今年は学ぶ必要はない。賢くならなければならない」

 チームメイトのセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)も14分16秒遅れの25位で続き、初日に良いステージタイムを犠牲にすることは、48時間レースで理論上の優位に立つために必要だったと断言した。「明日に向けて全員が戦略を練らなければならなかったので、今日はとても退屈な一日だった」とローブは認めた。「もちろん、今日のステージで優勝したいとは誰も思っていなかった。明日の48時間レースに向けて良いロードポジションを取りたかったので、ゆっくり走った。さらにタイムをロスするためにステージの終わり近くで止まったので、このポジションにはかなり満足している。10分ロスし、トップからかなり離れている。明日は15番手くらいになるので、これはいいことだ」

 フォードMスポーツ勢ではカルロス・サインツ(フォード・ラプター)が3分17秒遅れの8位、マティアス・エクストローム(フォード・ラプター)が18分遅れの16位という堅実なスタートとなっている。

 ライバルの何人かと同様、サインツもゴールラインに向かう最後の80kmで意図的にスピードを落としたものの、厳しい初日だったことを認めた。

「非常に重要な最初のステージだった。まさにダカールのステージ、純粋なダカールで、あらゆる要素が少しずつ含まれていた」とサインツは語った。「ここでは何かに触れないようにするのは難しく、パンクしてしまった。タイムとペースなら、最終順位はもっと後ろにつけそうだと思ったが、予想外のことが起きるものだ」

 サインツはステージ中にナビゲーション・タブレットの機能しなくなったため、砂漠を進むには予備のタブレットに頼らざるを得なかった。

「ステージはより複雑で、よりストレスフルになった。センチネル(衝突を避けるための安全機能)がなかったからね。2台目のタブレットは持っていたのだが、センチネルはそのタブレットに接続されておらず、我々を少し混乱さることになったんだ」