ERC2020/09/29

未知なる戦い、ERCのラリー・ファフェは今週末

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 今週末の10月2日〜4日にポルトガル北部で初めてヨーロッパ・ラリー選手権として開催されるラリー・ファフェ・モンテロンゴは、ERCトップエントラントたちにとって未知なる戦いとなる。

 ERCは今季、新型コロナウイルスの影響によって7月末のラリー・ディ・ローマ・カピターレで開幕、8月のラリー・リエパーヤがそれに続いたが、次戦としてポルトガル領のアソーレス諸島で予定されていたラリー・アソーレスのキャンセルが決まってため、開催のわずか1カ月前になって急遽、ラリー・ファフェ・モンテロンゴのERCカレンダー入りが決まることになった。

 ERCシーズンの第3戦として開催されるラリー・ファフェ・モンテロンゴは、世界ラリー選手権のラリー・デ・ポルトガルの象徴となっている大きなジャンプをもつフェフェ・ステージでもよく知られるファフェ市をベースに行われるオールターマックのイベントであり、地元のポルトガル出身ドライバーを除いてすべてのドライバーがステージに関する知識のない互角な立場で臨むという点で興味深い戦いが予想される。

 ERC王座の奪回を目指す2018年王者のアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)がこれまでのところ選手権をリードしているが、前戦のラリー・リエパーヤでセンセーショナルな勝利を飾った19歳のオリヴァー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がわずか4ポイント差で追い掛けており、 真の栄光を目指したエキサイティングなバトルが繰り広げられることが期待される。

 さらに、チームMRFタイヤのクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)とエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRally2エボ)、サンテロック・ジュニアチームのマリヤン・グリーベル(シトロエンC3 R5)、MOLレーシングチームのノルベルト・ヘルツィグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)、フランスチャンピオンのヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)といったインターナショナルなトップドライバーの顔ぶれに加え、グレゴワール・ミュンステル(ヒュンダイi20 R5)、ヒュンダイ・エスパーニャのイヴァン・アレス(ヒュンダイi20 R5)、ACCRチェコ・チームのエリック・ツァイス(フォード・フィエスタRally2)、などの新進気鋭のドライバーたちが参戦することになっており、そのスタートが待ち望まれる。

 ラリー・ファフェ・モンテロンゴは、カンペオナート・ポルトガル・デ・ラリス・クラシコス(ポルトガル・クラシック・ラリー選手権)とカンペオナート・ノルテ・ラリス(ノースラリー選手権)も併催され、緩い高速コーナーとタイトなヘアピンがミックスしたスムーズで起伏のあるオールターマックを舞台として行われる。

 ポルト・フランシスコ・サーカルネイロ空港から70km、UEFAユーロ2004大会の開催地の一つでもあるギマランエシュから15kmに位置するこのイベントは、COVID-19のパンデミックによって何度か変更を余儀なくされたERCカレンダーに遅れて追加されることになったにも関わらず、そのアクセスの良さと、チャレンジングなステージのおかげで、39台のエントリーを集めることとなった。

 24台のR5/Rally2がエントリーしており、そのうち8台はERC1ジュニアのエントリーだ。アルピーヌA110RGTの参戦で注目されるERC2、ERC3、ERCジュニア、そしてアバルト・ラリーのポイントとしてカウントされ、またFIAヨーロッパ・ラリー選手権のチームも同様にポイントの対象となっている。

 アイテナリーでは、各レグにおいて3つのステージを3回走行し、181.44kmに及ぶ計18のステージで争われる。10月3日のアニョス・ステージが14.13kmで最長、4日のヴァルゼア・コヴァが6.6kmの最短ステージとなっている。