WRC2025/03/12

P1フューエル、破産手続きへ

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 世界ラリー選手権の公式燃料サプライヤーであるP1 フューエルが破産手続きに入り、2週間後に開催されるサファリ・ラリー・ケニアでの燃料供給を確保するため、FIAが介入した。

 2022年に始まった持続可能な燃料の入札で契約を獲得し、WRCに燃料を唯一供給していたP1フューエルが深刻な経営難に陥っていたことは、サファリ・ラリーのための燃料が関税未払いのためモンバサ港に留め置かれていたことからWRC関係者も知らされることになった。その後FIAが未払いとなっていた税金を支払ったことから、今季第3戦に必要な燃料を確保されたものの、P1 フューエルは、ドイツのシャルロッテンブルク地方裁判所によって暫定的な破産管財手続きに入ったことから、事実上、WRCの燃料サプライヤーとしての役目を終えることになった

 FIAの広報担当者は次のようにコメントしている。「FIAはP1 フューエルに関する発表を認識しており、すべての関係者と協力しながら状況を確認している。最新情報については、後日通知する」

 P1 フューエルズはドイツのDTMシリーズおよびそのサポートカテゴリであるGTマスターズとGT4ドイツで化石燃料を使用しない合成燃料を提供していたが、すでにこれらのカテゴリでは指定燃料供給業者としての地位を失っている。シリーズの主催者であるADACは、すでに燃料供給元を英国のコリートンに切り替えている。

 WRCについてはサウジアラビアの国営石油会社アラムコが、ラリー・イスラス・カナリアス以降のWRCの公式燃料供給業者としてP1 フューエルに代わる可能性があると報じられている。

 P1フューエルは再建を担当する法律事務所としてグリーンバーグ・トラウリグ法律事務所が管財人に任命されて再建を目指すことになるようだ