WRC2019/12/05

WMSC、新世代ハイブリッドWRカーの技術原則承認

(c)FIA

 12月4日にパリで行われたワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)は、2022年からの投入が予定される新世代WRカー(来季からクラス名称がRally1となる)のテクニカル・レギュレーションの技術原則を承認した。これらは6月のWMSCでその概念が承認されたあと、なかなかその方向性が固まらずにマニュファクチャラーをやきもきさせてきたものだが、当初は秋に予定された技術的な詳細についてはまだ確定に至らず、2020年の第1四半期に最終決定する予定だとFIAは発表している。

 2023年以降のWRCトップカテゴリーは、ハイブリッドテクノロジーをもち、生産ベースのボディシェルまたはチューブラー構造のボディを使用するオプションが含まれる。どちらのボディも、メーカーがサイズが異なるモデルをベースにラリーカーを製作できるようなスケーリングシステムを採用することで現在のラリーカーのサイズに関するガイドラインを維持する。
 
 現在のWRC車両での広範なテストのおかげで、FIAはメーカーと緊密に協力して標準化されたクラッシュ構造を定義しており、安全基準の改善とチームの開発プロセスの簡素化を目指す。

 新WRカーのパフォーマンスは、現在の仕様に基づいているICE(内燃エンジン)が100kWハイブリッド電気モーターによる補助されるものとなるが、開発コストが管理されたものとなる。

 このユニットは各チームで共通で、共通のハードウェアおよびソフトウェア戦略を使用し、電力のみで街中を走ることができるようにし、スペシャルステージでは電気的な「パワーブースト」を利用できる。現在のWRカーのアグレッシブな美しい外観は新世代のマシンにも引き継がれる。

 WRCチームが参戦することでより多くの機会を提供するために、マニュファクチャラーはメインの参戦チームとは別に1台のチームを追加参戦できるようになるが、こちらのチームではメインチームのためのマニュファクチャラーポイントを獲得できなくなる。