WRC2019/07/09

WRCキャンディデートのサファリは波乱の幕切れ

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 バルディフ・チャガー(三菱ランサーエボリューションX R4)が劇的なドラマの末に2019年サファリ・ラリーの勝者となった。2013年と2014年に連続してサファリ・ウィナーに輝いたチャガーは3度目の栄冠を獲得した。

 2020年に世界ラリー選手権の開催を狙うサファリ・ラリーがFIAのミシェル・ムートンやWRCプロモーターが見守るなかで7月5-7日にケニアで開催された。金曜日にナイロビ近郊のカサラニ・スタジアムで行われたスタートセレモニーでは、WRC招致に意欲をみせるケニア大統領ウフル・ケニヤッタが自らがスタートフラッグを振り下ろし、WRCキャンディデートイベントの幕が開けることになった。

 ラリーは土曜日の午後にトップに立ったアフリカ・チャンピオンのマンヴィール・バリアン・シン(シュコダ・ファビアR5)がリードを広げ、最終ステージを前にチャガーに対して52.8秒という大差を築くことに成功したものの、勝利を目前にして ダスティな道の真ん中に刻まれた深い砂の穴でスタックするという波乱が発生、逆転でチャガーが優勝することになった。

 ダストでラジエーターをブロックされてしまい水温が130度を超えてしまって立ち往生したシンは、観客らの手助けによってやっと脱出したものの12分あまりもの遅れを喫し、2位のカール・ツンド(三菱ランサーエボリューションX R4)から11分遅れの3位でフィニッシュすることになった。