シトロエン・レーシングは先週、4日間にわたって新しいワールドラリーカーの最初の本格的なテストを敢行、チーム代表のイヴ・マトンは、ニューマシンの開発が無事に重要なスタートを切ることができたと語るとともに、初めて見たニューマシンのパフォーマンスに強い印象を受けたというコメントを発表している。
テストに先立って、シトロエンは4月9日土曜日にヴェルサイユにあるシトロエンのプライベートテストコースでアレックス・ヴェンゲによってシェイクダウンを行い、11日月曜日にはミークも初めてこのマシンのハンドルを握っている。その後、開発チームは、南フランスのシャトー・ラストゥールに舞台を移し、14日(木曜日)の朝9時12分からミークによって本格的なグラベルでのテストを開始、さらに石が転がるよりラフなコンディションを求めてフォンジョンクーズのテストステージに移動して、シャーシの強度、サスペンション、ギヤボックス、ボディワークが4日間にわたって徹底的にテストされている。
マトンは、新しいワールドラリーカーに大きな問題はなく、最初の重要な目標をクリアしたことに興奮している。
「ここまでくるのに時間は厳しかったが、我々の新しいワールドラリーカーが大きな問題もなく最初のテストを走り切ったのを見てきて、あとは時間をかけることができると確信した。来たるべきマイルストーンは近づきつつある」とマトンは語った。
「今回の最初のテストはこのような大きな規模のプロジェクトでは重要なステージの一つだ。設計のために残された時間は非常にタイトだった。その専門知識と経験のおかげで、チームは新たなWRカーの規制に基づいて、ラリーカーを設計するために素晴らしい仕事をした。チームのすべてのみんなに感謝したい」
今回のテストにはシトロエン・レーシングの新しいテクニカルディレクターに就任したローラン・フレゴシのほか、プロジェクトマネージャーとしてこのマシンの開発チームに加わった、PSAプジョー・シトロエン・グループのカスタマーコンペティション部門でプジョーとシトロエンの R5ラリーカーの開発を手がけたアレクシス・アヴリル、さらにシトロエン・レーシングのチーフオペレーションエンジニアのディディエ・クレモンも参加している。
マトンは新しいラリーカーが見せた印象的なスピードに驚いている。
「僕らはよりスペクタクルなマシンにすることを認める新しいレギュレーションについてずっと話してきたが、それは僕らの想像してきたとおりのマシンだった。マシンの音、印象的なスピード、アグレッシブなデザイン、それらすべての要素が我々が改善を願ってきたものだ。新しいマシンの最初のテストであったのもかかわらず、僕らははっきりと確認することができたよ! ラリーファンは新時代のWRCをきっと好きになると思う」とマトンは語った。
シトロエンの開発チームは、ヴェルサイユのファクトリーに戻ったあと、今回のテストを集積した膨大なデータを解析し、次のテストセッションにむけて変更するところの準備をしなければならない。マトンはまだ技術的な方向性を決定する段階ではないと付け加えている。
「このままグラベルでのテストを継続して、それからターマックのテストを開始する。作業の次の段階において鍵になるのは、最終的に2017年を戦うマシンを作るまえに技術的な方向性について決定をすることになるだろう」