やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

2017年9月アーカイブ

ラリー・ジャパンの風。

ラリー・ジャパンが、久しぶりの日本復帰にむけて動きはじめました。WRCプロモーターはいまのところ「まったく開催場所は決まっていない」と言いながらも、モリコロパーク(愛知)、富士スピードウエイ(静岡)、あづま運動公園(福島)を訪れているのでここがルートの重要な拠点になる可能性はあるでしょう。
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プロモーターはさかんにWRC開催のためにはルートの重要性を訴えていました。ルートというのは道路そのものと同時にイベントの拠点であり、それらは日本を代表する景色、遺産、建築などがふさわしいと語っています。つまり「日本を世界に伝えるのにふさわしいロケーション」がWRCを呼ぶためには必要だというのです。

たとえばメキシコでは今季、イベントのセレモニアル・スタートをラリールートがおかれるレオンから約380km南の首都メキシコシティに移して開催しています。トランポに積載したラリーカーが到着しなかったため、ステージがいくつか中止になったのでこの開催スタイルが今後も踏襲されるかわかりませんが、少なくともおよそ20万の人たちが首都でスタートを観戦したという数字は強烈なインパクトと説得力があります。都内で新生ジャンパンのスタートが行われたら、どんなにか素晴らしいか!

木曜日夜にお台場をスタートして、皇居の回りでスーパーSSを行ったとして(想像するとワクワクしちゃうな〜)、金曜日と土曜日が富士スピードウエイをベースに富士山周辺で開催されるにしても都内から120km程度の移動なんてたいしたことないレベルに思えます。そこから御殿場から255km移動して新城方面で最終日になっても、まあギャップ〜モナコの移動に比べれば大したことないって! それでモリコロパークか名古屋城でゴールでどうでしょう・・・なんて、アイデアもきっとカンカンガクガクと検討されているんでしょうね!

たとえば富士山を背景にしたラリーカーのドローン映像があれば、いかにもジャパンらしい映像になるでしょう。残念ながら今回のプロモーターの視察では曇り空だったために富士山が見えなかったそうで、富士スピードウエイではなにかと天気の変化を心配しなければならないという印象をもったのかもしれません。天気ばっかりはねえ・・・。

そういえば、雨でも素晴らしいルートがありますよ。WRC開催を夢みて以前に開催されたアルペン・ラリーのたしか第1回目は軽井沢プリンスホテルをベースで開催されたと記憶しますが、北軽井沢をぬけて走る紅葉のロードセクションは、雨でいっそう美しくなって、トスカーナの秋のグラベルを超える世界に誇れる印象的なロケーションだったと記憶しています。

帯広のジャパンを記憶する人にとってはいまのところ北海道が候補として挙がってないのは残念でならないかもしれません。帯広は熱かったですね! 札幌のジャパンは駅からドームに行くのに、あまり街に盛り上がっている感じがなくて、「一週間来るのを間違えたのかな?」と勘違いするほどでした。

あれだけ地元に愛された帯広はきっとジャパンのいいベースになると思うけど、10万とかそういう単位の観客を想定するのだとするとやはり北海道は遠いという判断があるのでしょう。これは世界に名だたるグラベルステージをもつニュージーランドがいつまでたってもWRCに復帰できないことと似ているようにも思えます。いくらすべてのドライバーたちがナンバー1だと評価する素晴らしいステージがあっても、主催者にいくら情熱があっても、商業的なプロモーションの視点で不足しているなら開催は不可能なのだということを僕らも考慮しなければならないのでしょう。日本にWRCを呼ぶことも、かつてのジャパンの時代よりはるかに単純ではなくなっているのです。

プロモーターは今後ルートをチェックしたあと、2〜3カ月以内にはルートの候補を絞りたいと語っています。新しいWRCジャパンがどこで開催されるにしても、地域に愛されて長く根付くイベントになってもらいたいものです。

ミケルセン、ヒュンダイをチョイス!

まさしく電撃の発表であります。ミケルセンが今季残り3戦でヒュンダイをドライブすることが発表になりました!
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ヒュンダイが来季の体制を発表したわけじゃないのに、マトンはミケルセンが2018年のチャンピオンシップにフルタイムで戻ってきたことは喜ばしいとお祝いのメッセージを発表しました。マトンがまさかの情報リークなんて! それとも残り3戦でヒュンダイを選んだことに対する恨みまじりの毒入り祝福メッセージ? マトンは「2018年のラインナップにおける選択肢の一つだった」と認めつつも、彼を除外することになったと発表しています。

ミケルセンがドイツの時点ですでにヒュンダイと来季の契約を結んでいたという噂もありましたが、これが真実かどうかはともかく、これでオジエのシトロエン復帰の可能性が高まったようにも思われます。PSAシトロエンの重役がフランス人ドライバーのチーム加入を激しく望んでいるみたいですしね。

となると昨夜ニュースでも公開した、ミケルセンが(スペインまでの)4週間にわたるフランス語の集中トレーニングを開始したという意味深なメッセージは何だったの? 

「4週間のフランス語集中トレーニングを開始したよ。ジュマペル アンドレアス(私はアンドレスと申します)」って、てっきりシトロエン加入が決まったとばかり思ってしまいましたけど・・・ああっ、ミシェル・ナンダンもフランス人だった! 

憂鬱なワールドチャンピオン。

2018年のドライバー体制に関して、あれやこれやの話が聞こえてくるわけですが、やっぱり一番気になるのはセバスチャン・オジエの動向です。
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オジエは今の自身がおかれている状況にさぞや失望していると思う。4度のチャンピオンがいるチームが二つの選手権でリードしているのもかかわらず、けっきょくブルーオーバルを動かすことができないのですから・・・

オジエとシトロエンとの話し合いがどこまで進んでいるのかも気になるところです。PSAプジョー・シトロエンの上の方がフランス人がシトロエンでエースドライバーになるのを強く望んでいる声があるとの情報もあり、ひょっとしたら彼自身が巣立ったチームへの復活が実現するかもしれません。しかし、あのような形で一度チームを去ったドライバーがふたたびシトロエンと強固でハッピーな関係を築くことができるでしょうか。

2011年のドイツで起きた事件を覚えている人は多いでしょう。あからさまにローブを優先するチームとの関係がこじれ始め、オジエがチームを去る遠因になったのは、このときのチームオーダーが発端でした。

オジエはローブを勝たせるという指示に対して不快感を表明、そのあとローブが原因不明のパンクをして後退することになり、「スポーツにも正義があった」とチームを公然と大批判したのです。

たしかにオジエの言うことはもっともではあるのですが、当時のシトロエンはチームローブともいうべきものでした。彼の回りにはローブの熱狂的なファンとしてクルマに心血を注いできた信頼のおけるメカニックやエンジニアが囲んでいましたが、それらはチームとともにチームを築いてきた人間だけに許される揺るぎない人と人のつながりと言うのでしょうか、チームオーダーでどうなるものではないことに、彼は気づいてなかったようにも思います。しこりを残したまま去った人間が偉大なチャンピオンとして帰ってきたとき、はたしてチームがどう迎えるのか気になるところです。

読者のかたから、WRCを観戦していてフランス国旗が少ないのが気に掛かるとのメールがありました。オジエはローブほどフランスでは人気がないのかもしれないですね。そしてフランスはローブ時代ほどラリーに対して熱くないのかも。オジエがシトロエンで勝つようになればまた時代も変わるかな?

昨年の今頃、フォルクスワーゲンが撤退することなんて誰もが想像できなかったように、予想もしなかったことが起きるのは世の常。シトロエンCEOがどこまで本気をだすか、あるいは眠れるフォードがついに動き出すか、トヨタが大英断を下すか、それともこのまま引退なのか。さあ果たしてオジエの未来はどうなる?

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