やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

ラリー・ジャパンの風。

ラリー・ジャパンが、久しぶりの日本復帰にむけて動きはじめました。WRCプロモーターはいまのところ「まったく開催場所は決まっていない」と言いながらも、モリコロパーク(愛知)、富士スピードウエイ(静岡)、あづま運動公園(福島)を訪れているのでここがルートの重要な拠点になる可能性はあるでしょう。
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プロモーターはさかんにWRC開催のためにはルートの重要性を訴えていました。ルートというのは道路そのものと同時にイベントの拠点であり、それらは日本を代表する景色、遺産、建築などがふさわしいと語っています。つまり「日本を世界に伝えるのにふさわしいロケーション」がWRCを呼ぶためには必要だというのです。

たとえばメキシコでは今季、イベントのセレモニアル・スタートをラリールートがおかれるレオンから約380km南の首都メキシコシティに移して開催しています。トランポに積載したラリーカーが到着しなかったため、ステージがいくつか中止になったのでこの開催スタイルが今後も踏襲されるかわかりませんが、少なくともおよそ20万の人たちが首都でスタートを観戦したという数字は強烈なインパクトと説得力があります。都内で新生ジャンパンのスタートが行われたら、どんなにか素晴らしいか!

木曜日夜にお台場をスタートして、皇居の回りでスーパーSSを行ったとして(想像するとワクワクしちゃうな〜)、金曜日と土曜日が富士スピードウエイをベースに富士山周辺で開催されるにしても都内から120km程度の移動なんてたいしたことないレベルに思えます。そこから御殿場から255km移動して新城方面で最終日になっても、まあギャップ〜モナコの移動に比べれば大したことないって! それでモリコロパークか名古屋城でゴールでどうでしょう・・・なんて、アイデアもきっとカンカンガクガクと検討されているんでしょうね!

たとえば富士山を背景にしたラリーカーのドローン映像があれば、いかにもジャパンらしい映像になるでしょう。残念ながら今回のプロモーターの視察では曇り空だったために富士山が見えなかったそうで、富士スピードウエイではなにかと天気の変化を心配しなければならないという印象をもったのかもしれません。天気ばっかりはねえ・・・。

そういえば、雨でも素晴らしいルートがありますよ。WRC開催を夢みて以前に開催されたアルペン・ラリーのたしか第1回目は軽井沢プリンスホテルをベースで開催されたと記憶しますが、北軽井沢をぬけて走る紅葉のロードセクションは、雨でいっそう美しくなって、トスカーナの秋のグラベルを超える世界に誇れる印象的なロケーションだったと記憶しています。

帯広のジャパンを記憶する人にとってはいまのところ北海道が候補として挙がってないのは残念でならないかもしれません。帯広は熱かったですね! 札幌のジャパンは駅からドームに行くのに、あまり街に盛り上がっている感じがなくて、「一週間来るのを間違えたのかな?」と勘違いするほどでした。

あれだけ地元に愛された帯広はきっとジャパンのいいベースになると思うけど、10万とかそういう単位の観客を想定するのだとするとやはり北海道は遠いという判断があるのでしょう。これは世界に名だたるグラベルステージをもつニュージーランドがいつまでたってもWRCに復帰できないことと似ているようにも思えます。いくらすべてのドライバーたちがナンバー1だと評価する素晴らしいステージがあっても、主催者にいくら情熱があっても、商業的なプロモーションの視点で不足しているなら開催は不可能なのだということを僕らも考慮しなければならないのでしょう。日本にWRCを呼ぶことも、かつてのジャパンの時代よりはるかに単純ではなくなっているのです。

プロモーターは今後ルートをチェックしたあと、2〜3カ月以内にはルートの候補を絞りたいと語っています。新しいWRCジャパンがどこで開催されるにしても、地域に愛されて長く根付くイベントになってもらいたいものです。


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