やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

2016年11月アーカイブ

待ちに待ったフォードの発表。

フォード・ヨーロッパが近日中にビッグニュースを発表するとアナウンスしてから一週間、どうやら今日にも何か明らかにされるんじゃないかってずっと待っていたところ、
161130_fiesta.jpg
新型フィエスタST発表! ですって。

さては、フォードが2017年から世界ラリー選手権復帰を行うか? なんて期待させるだけさせておいて、そりゃないよ!

まあ、これが新しいフィエスタRS WRC 2017のベースカーになるわけですから、まんざらラリーに関係ないとは言い切れないわけですが。

もう一つ、フォードからはとっておきのニュースが!
161130_lego_gt40.jpg
1966年型フォードGT40と2016年型フォードGTのレゴが来春発売!

おお、なんてビッグニュース! 待ち望んでいたファンには堪えられない逸品です! うーん・・・。

カタカナ「トヨタ」がなんだか新鮮です。

ちょっと前の話になっちゃうのですが、6月にアメリカで開催されたグレートレースに出た初代カローラの競技車をトヨタのプレスサイトで発見。さいきん、ヒストリックなラリーにハマっているせいか、無性にかっこよく見えます。
161125_1970_corolla_jamie_bestwick.jpg
こちらカローラ50周年グレートレースモデルです。アンダーソン・モータースポーツ風の赤のストライプが入り、シビエのランプを装着すれば、いい雰囲気のラリーカーの出来上がり! 
161126_The_Great_Race_Toyota_.jpg
むかしのカタカナの「トヨタ」ロゴもなんだか新鮮です!

グレートレースというのは、アメリカ横断レースみたいなやつで、チキチキバンバンみたいなクルマからヒストリックラリーカーまでビンテージカーが130台あまり大集合したそうです。BMXでXゲームに出ているジェイミー・ベストウィックがこのカローラをドライブしたそうですが、体の大きなアメリカ人にはカローラはちょっと小さかったかも?

左胸に掲げられていたVWの大きなマークが消えています。そして4度目の王座を獲得したにもかかわらず、誰もそんなことに気が回らなかったのか、予算がなかったのかわかりませんが、最終戦オーストラリアではタイトル撃墜のマークの星印が3つのままでしたが、コラージュで4つに増やされています。
161125_ingrassia.jpg
本当は星4つのレーシングスーツで新しいシーズンに臨むはずだったのにねえ。

オジエとイングラシアが来季、どこのチームを選ぶのかについては、真実とも憶測ともつかないさまざまな怪情報が溢れかえっています。そんななか、オジエがトヨタ・ヤリスを初テストしたという情報がっ! そしてどこまで信じていいのかわからないけど、なんと10億円のオファーとはっ!

フォード復活がキモになっているMスポーツについては週末にはフィエスタ2017を初テストするとされ、本命のシトロエンはあまり前っちゃああたり前ですが契約前のテストに難色、さらにはレッドブルが新チーム設立なんて、想像力たくましい誰かが考えだしたようなファンタジーも! はたしてオジエはどこを選ぶことになるんでしょうか。

ぶらり本郷三丁目。

先日、ひさしぶりに本郷三丁目の駅を下りました。いまはなき山海堂があった本郷三丁目、25年前にラリーXが誕生した場所です。
hongo3.JPG

僕が最後に山海堂に入ったのは、倒産から一カ月がすぎて管財人とビルに入った2008年1月のことでした。6年ぶりに見た社内は悲しいくらい荒れ果てていたことを覚えています。

あれから本郷三丁目に行く機会もなかったし、なんとなく足も遠のいていたのですが、ライターの嶋津さんが近くで打ち合わせがあるというので相乗り、二人で打ち合わせをしながら本郷三丁目をぶらぶらと歩いてみることになったのです。
kizankan.JPG

本郷薬師の鳥居をくぐった先に機山館というビジホがあって、僕ら速報誌の編集部員や翻訳者はここでカンヅメにされて24時間体制で地獄のような環境で仕事を覚えたのでありました。

shiraito.JPG
校了のあとは、ぐだぐだと飲みながら熱く編集論を語り明かした(笑)焼き鳥屋の白糸もありましたよ。

sankaido.JPG
菊坂を下りると、いまはもう人手にわたって、なんだか明るいタイル貼りとなった元山海堂ビルがそこにありました。仕事が遅くて家に帰れない新人時代になかば住み込んでいた布団部屋のことをなぜか思い出しました。

ラリーXの取材のために滞在していたケニアで山海堂倒産の報せをうけたという嶋津さん。たまりにたまった原稿料も滞在費も未払いのまま。しかし、あれやこれや傷ついたこともやっと遠い過去の出来事になりました。

今日で禊ぎは済みました。来年から嶋津さんの新連載がラリーXで始まります。2度とラリーXの仕事はしないと言われてきましたが、10年ぶりの帰還です。おそらく、古い話、新しい話、いろんなラリーの歴史がつまった珠玉のストーリーになるはずです。嶋津ファンの読者のみなさま、乞うご期待!

素晴らしいミケルセンの優勝で2016 年シーズンが幕を閉じました。最後のサービスではドライバー、メカニック、エンジニアたちがみな目を赤くしてこの別れを惜しんでいましたね。ああ、もったいない、こんなに一体感のある素晴らしいチームなのにねえ。
161122_mikkelsen_goal.jpg
ミケルセンは最後の記者会見で「今年は選手権のためにいかなるリスクも取らない」というチームとの約束があったと明かし、彼はここで「どれだけ僕らが速いのかここで見てみたかった」と語りました。最後の一戦でとうとうその封印を外したというわけです!

それにしても、彼の速さの前にオジエがプレッシャーを感じていたとは信じられない! 昨年のスウェーデンで起きたことの反対のことが起きたわけです!

昨年のスペインのミケルセンの初優勝は、オジエが勝手にミスをしたものでしたし、彼の2勝目のポーランドもタナクのパンクによってもたらされたものです。しかし、今回はまったく同一の条件でオジエと戦い、実力で打ち破ったといえるでしょう。まさしく3度目の正直というわけです。

いやー、これはおもしろくなってきましたよ。殻を一つ破ったミケルセンが来年以降どんな走りをみせてくれるのか本当に楽しみになりました。なのに、ああ、こんないいドライバーのシートがないなんて!

ミケルセンはラリーのスタート前、自身の2017年について、「まずはオジエがどこを選ぶか様子をみなければならない」と語っていますが、今回の勝利で各チームの首脳陣たちの評価もかなり変わったはず。トヨタはフィンランド人ドライバーでチームを結成するなんて言われているけど、こんないいドライバーを放っておいていいのかな? いい具合に仕上がってますよ!

オジエ路面掃除おつかれさまでした。

1番手走行のドライバーとしてセバスチャン・オジエは二日間にわたるグラベル路面掃除を強いられてきましたが、今日でやっとその役目から解放されました。一年間おつかれさまでした。
161119_ogier_start.jpg

そういえば、2001年のオーストラリアでは初日が選手権順に走り、二日目以降は順位の上なドライバーから好きな走行順を指名できるというシステムが採用されていました。

しかし、コリン・マクレーがラングレーパークのスーパーSS 前に行われるランニングオーダーチョイスに5分遅刻、その結果、翌日を1番手でスタートしなければならなくなったため、彼はグロンホルムに優勝を奪われ、王者も逃すことになるのです。

このような残念な結末を招いたのが誰の責任だったのかはともかく、翌年、この複雑なランニングオーダーのシステムは見直されることになるのですが、かといってその後も「これぞ!」という公平なルールがあったわけではなく、さまざまなルールが生まれては消え、そしてまた新しいルールが生まれ、それからの15年はその繰りかえしだったのです。

ラリーは自然相手のスポーツですから、どのようなルールも公平になるわけではありません。来年からスタートする新ルールもまたいつか見直しになるときがくるのかもしれませんが、それはともあれ、オーストラリアの映像を見た人ならわかるように、あのサルディニアにも等しい路面に深く積もったグラベルと二日間にわかって戦ってきたオジエが、この週末は、これまでのシーズンにはなかったリスクを冒した走りだったことを明らかにしています。

161119_mikkelsen.jpg
VWにとっての最後のラリー、すでに選手権は決着しています。ドライのグラベルで今季一度も勝てなかったオジエは「もはや失うものはなにもない」と言いました。クラッチペダルの不良という悪夢のような出来事によってわずか2秒をリードして最終日を迎えることになったミケルセンも、「2秒だろうと、12秒をリードしていようとも勝利のためのバトルは厳しいものになる」と勝利への強い意志を宣言しています。

チームメイトとしても最後のラリーです、もろもろの終わりの日、すばらしい戦いが待っているはずです!

やっちまった、ラトバラ!

フォルクスワーゲンの最後のラリーで気合いが入りすぎたのか、ラトバラがオーストラリアのSS1でクラッシュ。これで優勝はノーチャンスになってしまいました。
161118_latavala.jpg
オジエはともかく、ラトバラとミケルセンにとっては、VWの最後の一戦だったという以上に、来季以降のシートを見つけるために自身をアピールする最後の機会だったはずです。

この結果、おそらくラトバラは今季をドライバーズ選手権6位で終えることになるでしょう。2008年にストバートから MスポーツWRTに昇格して以降、ワークスドライバーのキャリアとしては最悪のシーズンになりそうです。下り坂だという評価を下すつもりはありませんが、もし今、この瞬間に、来季、ラトバラとミケルセンのどちらを起用すべきか悩んでいるチーム代表がいたら、この結果はどう映るでしょうか・・・。

さてさて、ラリー・オーストラリアは二日目の朝のループが終わったところです。パッドンがナンブッカのロングステージで恐るべき速さを見せて優勝争いに食い込んできました。オジエはミケルセンからほとんど遅れることなく続いており、午後のループでどれだけ差を縮めてくるのか楽しみな展開になっています!

VWとの最後のラリー。

ラリー・オーストラリアのスタートを前に、「フォルクスワーゲンとの最後のラリー・・・なんて信じられない響きなんだ」と語ったオジエ。誰もがうまく言い表すことができない複雑な感情のなかでこの週末をスタートすることになるはずです。
161118_ogier_aus.jpg
木曜日の記者会見で、オジエとミケルセンはともに複数のチームと来季の交渉があることを明かしています。オジエはシトロエンか M スポーツとの交渉でしょうか、ミケルセンがどこのチームと話し合っているのかいまひとつはっきりしませんが、マキネン・レーシングの関係者が二人のノルウェー人がこの10日間に相次いでファクトリーを訪ねてきたと発言していることから、マッズと彼がトヨタと話し合いをもったのかもしれませんね。そしてヤリ-マティもMスポーツとトヨタとの話し合いがあるようです。

仲がよかった3人のドライバーが来季、どこに行くのか気になるところですが、とりあえずはこの週末は最終戦の戦いの行方を見守ることにしましょう。
161117_MIKKELSEN-MICHELIN.jpg
オーストラリアの東海岸コフスハーバーで行われるラリー・オーストラリア、日本とは時差が2時間。オープニングSS は現地7時56分スタート。オーストラリアが2時間先行しているので、日本では5時56分です。いつもより3〜4時間ほど早起き、時差がなさそうで、これがけっこうキツイのです!

ああ恥ずかしや、レジェンドで発熱。

おかげさまで初めてのラリーだったレジェンド・オブ・ザ・ラリーも無事に完走できました。クルマはギヤがサファリスペックということもあり、やや離れた2速に四苦八苦したくらいで大きな問題はなかったのですが、人間のほうが完全オーバーヒート、ゴールした翌朝から発熱してフラフラしながら東京へと帰ってくる有り様でした。
leone1_.jpg

ラリー前からかなり盛り上がって熱を入れていたせいか、疲れが一気にでたんでしょうかねえ。家に帰るまでがラリーですとはよく言ったものです。

もちろん熱が出ちゃうくらい気持が高ぶっていたのはたしかですよ、そりゃそうです、当時のトップドライバーとラリーカーが時代を超えて蓼科に集まったわけですもん。一台一台が時間をかけてきれいに仕上げられ、まるでタイムスリップしたような気持になりました。

サファリに出場した建次郎VR-4と記念撮影! 時代を超えた邂逅であります。
leone_vr-4.jpg

アンダーソン・モータースポーツのワークスカーのような左ハンドルの TA22セリカ。これでヒストリック・モンテに出撃するのだとか。
TA22.jpg

510ブルもよかったけど、大森ワークスカラーのチェリーとランタボもなかなかいい雰囲気です!
cherry.jpg

藤本吉郎/川田輝組のワークス・エスコートRS1800をロードセクションで丸一日追い掛けるというありえない体験をさせてもらったこともうれしかったー! 
escortRS1800.jpg
青い出来損ないのプラモのようなかわいいマシンから放たれる、コスワース BDAの凶悪なサウンドをたっぷり聞かせていただいただけでなく、その迫力の走りを直に観られたことはなんとも言えない素晴らしい経験でした。ヘアピンの切り返しでもたもたしている間に追いつかれて、コーナーでスピンターンして待機して一気に真横をぶち抜かれる快感たるや!

それにしてもレジェンドのみなさんに混じって競技に参加できたのは本当に光栄な体験でした。クルマ好きの方々とお話しさせていただくのは楽しい時間でしたし、夢のような出来事だったのですが、しかし、あまりに錚々たるメンバーのなか、へっぽこドライバーと素人ナビゲーターのコンビは、いささか場違い的な、居心地の悪さを感じながらの二日間でもありました。

colt.JPG
レジェンドのなかにはさらに新しいエンジンを作っているという人もいれば、新しいラリーカーを早くも準備しているという情熱的な人もいましたし、これからは本気のレジェンドたちがますます復活してきて盛り上がりそうな予感がしました。

それはそうと、レジェンド・オブ・ザ・ラリーは日本のラリーをつくったレジェンドのためのラリーとして、いっぽうでもっと身近なシリーズのようなものも生まれることも期待したいな。来年にはスーパーラリーシリーズが誕生するけど、できればヒストリックも併催してほしいものです。

そんなのスポンサーもないし無理じゃないのかな、そんな声も聞こえてきます。ヒストリックカーは売上げにつながらない以上、自動車メーカーもそうしたクルマの集まりがあったところでそれを振興することやスポンサーとして支援する考えはないのかもしれません。

ヨーロッパではヒストリックカーやその競技を自動車メーカーもとても大事にしているし、きっちり整備されたヒストリックラリーカーを元ワークスドライバーに委ねて惜しげもなく走りを許しているし、まだまだあちらの自動車文化の奥深さを感じざるを得ません。
leone-gravel.jpg
ラリー後の泥を洗い落とす作業はなににも代えがたい至福の時間でした。本音を言うと、泥はこのまま落としたくなかったんですけどね! またいつかチャンスがあれば、出場してみたいけど、やっぱりラリーを走ったあと、夜中に机に向かって仕事しているうちは、まだまだ出場は無理っぽいなあ! もっと、もろもろ余裕ないと!

ラリーというのは再び集まるという意味だと言うことを僕は25年のメディアの経験で言葉のうえでは知っていましたが、その精神というかこれほど集まることが困難でありながらも同時に気持が高まるものだということを初めて知ったような気がします。

長野に向かう高速道路でエンジンルームから突然、なにかが壊れたような爆音を聞いて緊急停止。完全終わったと思いましたよ。もうスタートもできないかと思ったけれど、エアコンのコンプレッサーが焼き付きを起こしていただけで、どうにか蓼科に辿りつき、レジェンド・オブ・ザ・ラリーのスタートを無事に迎えることができました。神様ありがとうございました。長谷川さん写真ありがとうございました。
161111_leone_start.jpg
それにしてもモノクロのオーテクの写真でしか知らなかった懐かしい車がこんなにたくさん集まっているなんて信じられないですよ! しかし、全部新車だっ! 新車というのは語弊あるかもしれないけど、当時のレジェンドたちがあのころの市販価格よりはるかに高い金額でいまクルマを買い戻し、さらにその倍どころかン千万オーバーのお金をかけて、まっさら同然それ以上に改造しちゃったピカピカだもん、なんだかヒストリックラリーが恐ろしいところに進化している予感が・・・。
161111_legend.JPG
土砂降りのなかのスタートの朝をむかえましたが、昼間には汗ばむほどの日射しが! 参戦レポートは追って紹介します! 何人かの方たちにがんばってくださいとお声を掛けていただき、ありがとうございました。誠にお恥ずかしいかぎりで。それにしてもラリーって、ホント大変!

5番だったり、39番だったり。

本日はレオーネのゼッケン・レプリカの話を駆け足で。

紫外線を浴びて完全に色あせてしまったルーフのゼッケンをなんとかしたいと思いつつ、先日、タイガーペイントのステッカーをデカルコさんに作ってもらった際にカーナンバー 5 のサファリ・ゼッケンもレプリカ品を作ってもらいました。
161109_number-1.JPG
デカルコさんの仕事が手詰まりだということで、こんなことも経験なので、じゃあゼッケンを自分で貼ってみようと思ったのですが、これが大失敗!

簡単に剥がせると思っていた古いゼッケン剥がしに3時間半、糊が硬化しちゃって、ぜんぜん剥がれませんでした! 3Mのクリーナー30を使ったのですが、これよりさらに強力なやつは塗装にダメージを残すので止めた方がよいとのことです。さらにウレタンのようにこびりついた糊をゴシゴシ落とすのに3時間(うぐっ)。

もっと簡単な作業を想像してましたけど、これは地獄でした。もっとも貼って数年くらいじゃ、そんな大変でもないんでしょうけどね。
161109_nuber-2.JPG
ということで、こちらが完成図なのであります。三夜連続の作業を終えて、深夜の一人ガッツポーズです。

気泡やゴミのぷつぷつもけっこう残ったし、もっときっちりセンターだしすればよかったかなーという反省はあるけど、マルボロカラーもすこし時代の風合いを出して夕焼け色にして、まずまず満足なのでした。

と、ここまでは2カ月ほど前のお話。わけあって、さらにゼッケンをチューンナップすることになったのです。
161109_number-3.JPG
39のプリントが上がってきました。これでクルマのゼッケンを直します。

161109_nuber-4.JPG
ちょっとやっつけ仕事でしたが、どうにか完成です! というわけで、今週末のレジェンド・オブ・ザ・ラリーにむけて出撃の準備が整いました! 

蓼科は雪との情報も! 生まれて初めてのラリー参戦、どうなることやらですが、レジェンドのみなさまがた、どうぞよろしくお願いします!

THIS IS MY LIFE !

VWショックから一週間、これまでのところ3人のドライバーのいずれも来季のシートが決まったというニュースはなく、さまざまな情報もまだ噂の域を出ないレベルのようです。

VWが参戦当初からチームをサポートしてきたレッドブルもすぐに代わりのチームへの支援を開始する考えはないと明かしています。たしかにこのように大きなプロジェクトになると、来年のモンテカルロにむけたキャンペーンの準備がすでに開始されてなければいけない時期ですから、そう簡単に予算を移すというわけにもいかないでしょう。
161108_ogier_redbull.jpg
火曜日には、レッドブル・レーシングがVWモータースポーツを買収するのではないかという新しい噂も流れましたが、レッドブル関係者はそのような検討がされたことはないとして、いまのところ情報を否定しています。

そういえば、スバルが2008年12月に撤退したとき、ペター・ソルベルグはどんな動きをしたんだっけとサイトのニュースをふり返ってみました。彼は翌年のファクトリーチームのシートを諦めて、プライベーターとして参戦することになるのですが、その決断はとても早いものでした。

1月の開幕戦アイルランドにはさすがに間に合わなかったけど、撤退から1カ月後には母国ラウンドのノルウェーへのエントリーを決めることになり、5年落ちのクサラWRCで人生を再出発することになるのです。
161108_PSRX_petter.jpg
「THIS IS MY LIFE(これが僕の生き方だ)」とメッセージがノーズに描かれた、最初のあのシルバーのマシンを思い出すとき、あの非常事態でよくぞ自分でクルマを走らせてでもとにかくWRCに残るんだっという途方もない決意をよくぞしたなと思い返して、あらためて胸が熱くなるのです。

ありえないことが起きた今、3人にはこれからどうラリーと向き合うのかその生き様が試されているのかもしれません。


沈んだブルーを修復する。

フォルクスワーゲン撤退のあれこれでモヤモヤがつづいているわけですが、こんなときこそ深夜の駐車場でクルマのいじりんぐの日々です。

近づいてみるとあちこちペイントの劣化が目立つレオーネ。実際にはペイントじゃなくてカッティングシートなのですが、さすがに貼ってから30年近くも経つとシートが縮んでしまい、ちょっとした衝撃や洗車でさえも簡単にポロポロとシートが剥がれてしまうんです。
161106_paint_hagare.JPG
ごらんの有り様です。全部貼り替えると時代が変わった感じになりそうなので、ここはなんとかカッティングシートの修復で乗り切りたいと思います。

なんとか、このちょっと微妙に沈んだブルーをぴったりに再現できないもんだろうかとずいぶん悩みました。1980年代にはカッティングシートはまだ珍しく、おそらく3M製ということでデッドストックを譲っていただいたところこれが色もピッタリ!
161106_paint_hikari.JPG
あとは表面の光沢を落として、時代感を出そうと思ってアレコレ試したのですが、3000番台や4000番台の耐水ペーパーでは強すぎ、激落ちパパ+田宮模型のコンパウンドで軽く仕上げて、ほぼ満足の光り加減です!
161106_paint_utushi.JPG
さていよいよ問題の痛んだペイントです。テレビでやっていた春日大社の漆芸の修復作業を思い出して、トレーシングペーパーに欠けた部分を鉛筆できれいに写しとり、あとはカッティングシートに貼り付けてデザインカッターでネチネチと時間をかけて切り取ります。
161106_paint_hari.JPG
どうにか目立たない感じに修復できました。ぴったりに切ってしまうと必ず縮むので、1mmほど重ねて貼りました。おかげで段差がすこし目立ってしまったのですが、全体的にはしっくり仕上がりました。んー、いい感じ!

僕らには彼らが必要だ。

フォルクスワーゲンが撤退を発表したメールを僕が受信したのは、11月2日19時50分のことでした。

フォローしているtwitter にはいつもなにがしかのラリーに関連したニュースが流れているのに、ほんの数分前、タイムラインからすべてのニュースが消え、まるで世界が止まったように感じました。まるで世界中の数100万人が固唾をのんでこのニュースの発表を待っていたように感じました。静かすぎて恐ろしかったあの時間を忘れないと思います。
161103_ogier_vww.jpg
発表のニュースにつづくように、オジエが撤退を惜しみつつも、「僕のことは心配しなくてもいい」というコメントを発表、前日から彼の Facebookにあふれた「引退しないでほしい」というファンからの悲痛な叫びに対してまっさきに回答をしています。彼らしいな。

しかし、そんな心配をする間もなく、さっそくオジエとの話し合いをイヴ・マトンが望んでいるという情報が舞い込んできました。

勝率82%のポロはミュージアムにおけばいい。しかし、僕らにはこれからも彼が必要だ。誰もが心からそう願った日になったと思う。

WRC激震、まさかのVW撤退報道。

11月1日、フォルクスワーゲンがWRCからの撤退を決めたという報道に世界が騒然となりました。
161102_vw_gb_podium.jpg
わずか数日前に4連覇の喜びをわかちあったVW のドライバー、コドライバー、チームのメンバーたち。彼らがどのような気持でこの報せを聞くことになるのか、想像するだけで残念な気持になります。

なぜ、このような愛情がないタイミングで決定がくだされようとしているのか今はまだわかっていません。排気ガス・スキャンダルで一掃された旧取締役会に代わった、新しいボードメンバーのなかにVWのラリーをゼロから推進してきたメンバーは一人もいなくなったことへの懸念はありました。それでも彼らは今年の春、 2017〜 2019年までの参戦継続を世界にむけて誓い、新しいモータースポーツディレクターに就任したスミーツも、9月の時点では「新たなホモロゲーションがスタートする2020年以降も成功を継続するための緻密な準備を行う」と、はるか長期におよぶ構想があることをほのめかしていました。

しかし、そのいっぽうで、VWが将来のWRC継続のためにいろいろな知恵を絞っているという噂が聞こえていたことはたしかにありました。そもそもWRC参戦を生むことになったR ブランドの推進への期待が裏切られたという経営判断もあったようにも思います。来年の参戦車両名をポロRではなくポロGTIにするというアイディアもそこから生まれてきたものだったのでしょう。けれど、そんなものは一瞬のうちに吹き飛んだというわけです。

どのような成功にもいつか終わりはくるものです。あまり信じたくはないのですが、水曜日、VWは公式に声明を発表すると言われています。しかし、明日の朝、どんなニュースが流れようと、それでWRCが終わりになるわけではありません。後ろをふり返らず、前を向いて行きましょう。それでもラリーは続くのです。

ラリーGB助演賞はDMACK。

予想に反してすこしもドライではなかったウェールズでオジエが4年連続勝利を飾りましたね。あのようなコンディションのなか、1番手の走行ポジションからもっとオジエが大逃げを見せると思ってみていたんですが、意外な伏兵が週末の戦いを興味深いものにしてくれました。

今年から登場したDMACKタイヤのエボリューションモデルはこれまでの中国製からイギリスの工場での生産に変わっていますが、それにしても地元生まれだけあって速かった!
161031_dmack.jpg
オジエは記者会見で、「僕は良い出走順、彼は良いタイヤを持っていた」と語りましたが、最終日にほぼ同じ走行順で走ったときに、わずかに彼はセーフティなモードだったとはいえ、1kmあたり0.45秒もDMACKはオジエより速かった計算です。

ポーランドでも初優勝のチャンスを最終日のパンクで失ったタナクでしたが、今回は初日のパンクのあとオジエを20秒あまりも追い上げたのですから、同じ2位でもイベントの後味はずいぶん違ったものだと思います。

タナクの来季が楽しみになってきました。そろそろMスポーツから何か発表あるでしょう。

いまのところMスポーツは来季のテストをミシュランで行っているけど、ラリーGBでフィエスタが勝てば4年ぶりの優勝だっただけに、このままのパッケージでいいんじゃないかな? ターマックはずるずるだろうけどさ。

カテゴリ別ニュース

最近のブログ

アーカイブ