先日、ひさしぶりに本郷三丁目の駅を下りました。いまはなき山海堂があった本郷三丁目、25年前にラリーXが誕生した場所です。
僕が最後に山海堂に入ったのは、倒産から一カ月がすぎて管財人とビルに入った2008年1月のことでした。6年ぶりに見た社内は悲しいくらい荒れ果てていたことを覚えています。
あれから本郷三丁目に行く機会もなかったし、なんとなく足も遠のいていたのですが、ライターの嶋津さんが近くで打ち合わせがあるというので相乗り、二人で打ち合わせをしながら本郷三丁目をぶらぶらと歩いてみることになったのです。
本郷薬師の鳥居をくぐった先に機山館というビジホがあって、僕ら速報誌の編集部員や翻訳者はここでカンヅメにされて24時間体制で地獄のような環境で仕事を覚えたのでありました。
校了のあとは、ぐだぐだと飲みながら熱く編集論を語り明かした(笑)焼き鳥屋の白糸もありましたよ。
菊坂を下りると、いまはもう人手にわたって、なんだか明るいタイル貼りとなった元山海堂ビルがそこにありました。仕事が遅くて家に帰れない新人時代になかば住み込んでいた布団部屋のことをなぜか思い出しました。
ラリーXの取材のために滞在していたケニアで山海堂倒産の報せをうけたという嶋津さん。たまりにたまった原稿料も滞在費も未払いのまま。しかし、あれやこれや傷ついたこともやっと遠い過去の出来事になりました。
今日で禊ぎは済みました。来年から嶋津さんの新連載がラリーXで始まります。2度とラリーXの仕事はしないと言われてきましたが、10年ぶりの帰還です。おそらく、古い話、新しい話、いろんなラリーの歴史がつまった珠玉のストーリーになるはずです。嶋津ファンの読者のみなさま、乞うご期待!