1番手走行のドライバーとしてセバスチャン・オジエは二日間にわたるグラベル路面掃除を強いられてきましたが、今日でやっとその役目から解放されました。一年間おつかれさまでした。
そういえば、2001年のオーストラリアでは初日が選手権順に走り、二日目以降は順位の上なドライバーから好きな走行順を指名できるというシステムが採用されていました。
しかし、コリン・マクレーがラングレーパークのスーパーSS 前に行われるランニングオーダーチョイスに5分遅刻、その結果、翌日を1番手でスタートしなければならなくなったため、彼はグロンホルムに優勝を奪われ、王者も逃すことになるのです。
このような残念な結末を招いたのが誰の責任だったのかはともかく、翌年、この複雑なランニングオーダーのシステムは見直されることになるのですが、かといってその後も「これぞ!」という公平なルールがあったわけではなく、さまざまなルールが生まれては消え、そしてまた新しいルールが生まれ、それからの15年はその繰りかえしだったのです。
ラリーは自然相手のスポーツですから、どのようなルールも公平になるわけではありません。来年からスタートする新ルールもまたいつか見直しになるときがくるのかもしれませんが、それはともあれ、オーストラリアの映像を見た人ならわかるように、あのサルディニアにも等しい路面に深く積もったグラベルと二日間にわかって戦ってきたオジエが、この週末は、これまでのシーズンにはなかったリスクを冒した走りだったことを明らかにしています。
VWにとっての最後のラリー、すでに選手権は決着しています。ドライのグラベルで今季一度も勝てなかったオジエは「もはや失うものはなにもない」と言いました。クラッチペダルの不良という悪夢のような出来事によってわずか2秒をリードして最終日を迎えることになったミケルセンも、「2秒だろうと、12秒をリードしていようとも勝利のためのバトルは厳しいものになる」と勝利への強い意志を宣言しています。
チームメイトとしても最後のラリーです、もろもろの終わりの日、すばらしい戦いが待っているはずです!