11月1日、フォルクスワーゲンがWRCからの撤退を決めたという報道に世界が騒然となりました。
わずか数日前に4連覇の喜びをわかちあったVW のドライバー、コドライバー、チームのメンバーたち。彼らがどのような気持でこの報せを聞くことになるのか、想像するだけで残念な気持になります。
なぜ、このような愛情がないタイミングで決定がくだされようとしているのか今はまだわかっていません。排気ガス・スキャンダルで一掃された旧取締役会に代わった、新しいボードメンバーのなかにVWのラリーをゼロから推進してきたメンバーは一人もいなくなったことへの懸念はありました。それでも彼らは今年の春、 2017〜 2019年までの参戦継続を世界にむけて誓い、新しいモータースポーツディレクターに就任したスミーツも、9月の時点では「新たなホモロゲーションがスタートする2020年以降も成功を継続するための緻密な準備を行う」と、はるか長期におよぶ構想があることをほのめかしていました。
しかし、そのいっぽうで、VWが将来のWRC継続のためにいろいろな知恵を絞っているという噂が聞こえていたことはたしかにありました。そもそもWRC参戦を生むことになったR ブランドの推進への期待が裏切られたという経営判断もあったようにも思います。来年の参戦車両名をポロRではなくポロGTIにするというアイディアもそこから生まれてきたものだったのでしょう。けれど、そんなものは一瞬のうちに吹き飛んだというわけです。
どのような成功にもいつか終わりはくるものです。あまり信じたくはないのですが、水曜日、VWは公式に声明を発表すると言われています。しかし、明日の朝、どんなニュースが流れようと、それでWRCが終わりになるわけではありません。後ろをふり返らず、前を向いて行きましょう。それでもラリーは続くのです。