やっぱりラリーが好きなのだっ!〜編集代表のラリーな日々ブログ〜

枝道だらけのフィンランド・グランプリ。

新しいWRカーが今年、フィンランドの森でどのような速さをみせてくれるのか興味は尽きませんが、個人的に毎年楽しみにしていたオウニンポウヤの速度記録にだって、もはや浮かれてはいられない時代のようなのです。
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昨年のフィンランドで歴史的初勝利を飾ったミークは、世界ラリー選手権の最速記録126.6km/hを達成するとともに、オウニンポウヤでも132.5km/hの新記録を樹立することになりました。380馬力の新世代WRカーになってこのステージとフィンランドの将来がどうなるのか注目されていましたが、6月30日に交付されたラリーガイド2からは、いろいろとがっかりする事実が見えてきました。

まずは今年のオウニンポウヤが30kmオーバーのフルコースではなく、2014年と同様にカカリスト・ゴールの24.38kmと短くなること(※お詫び:先の原稿で今年も逆走のように書きましたが順走に戻されます)。そしておそらくは4カ所の迂回路や枝道、あるいはシケインでステージが分断されることになります。

オウニンポウヤだけではありません。ヒルボネンが2010年に大クラッシュを喫したウーリアも2カ所の枝道が追加、ユッコヤルビは2カ所、ラウッカは3カ所、ランカマーは2カ所、さらにハイスピードの一日となるはずだった土曜日はオウニンポウヤをはじめ、オイッティラで2カ所、高速ステージの一つとして数えられていた有名なピーラヤコスキに至っては完全な新しいステージになるとのことで、どこがどう改造されたのかは現時点ではまったく不明です。

今年のスウェーデンで137.8km/hの平均速度が記録されて以降、FIAはステージの高速化にストップをかけるべく安全性の指標として平均速度130km/hという数字を示してきました。

FIAはラリーガイド1で示されたフィンランドのルートに激怒し、ルートの再設計を主催者に求めたと言います。「いくつか迫力あるジャンプがあれば、あとは遅い道で十分だ」というわけです。そして、主催者が出した解答は、遅い枝道を伝統のルートに組み込んで平均速度を落とすことでした。

もちろん高速コースから何度かちょこっと枝道に逸れたとしても、速度低下はその特定のセクションのみに限られ、ラリー全体での根本的な安全性が保たれるわけではないことは子どもだってわかる話ですが、フィンランドのアイデンティティと安全性の狭間という苦悩のなかで主催者が選んだ、いまのところ、これがぎりぎりの着地点なのでしょう。

あとはこれで走って安全かどうか判断するということなのでしょうけど、FIAは自ら380馬力のマシンを積極的に投入しておきながら、遅い道のフィンランドでラリーを開催させるって、なんだか矛盾した話のような気がしません?


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