ポーランドの最終日、WRCのライブ中継を解説するという大役を仰せつかりまして、J SPORTSに行って参りました(冷汗)。
ヌーヴィルとタナクの歴史に残る秒差のバトルを、あるいは勝者と敗者の明暗の差を何をどうしゃべったのかさえもまったく記憶にないくらい、恥ずかしいくらいに緊張してしまったのですが、栗田さんとBC本郷編集長のまとめ上げる力に助けられた2時間だったように思います。
それにしても、びっくりしたことは栗田さんはプロンプターの助けを借りず、さらに台本のようなものもなく、ペラペラの進行表だけで番組の司会をテキパキとこなしていたことでした。
プロンプターとはアナウンサーがニュースを読むときに原稿を表示するモニターのことなのですが、記者がうまく規定の時間に収まるように事前に原稿を準備していて、それが表示されるのかと思ったのですが、そのようなことは一切ナシ!
ライブ中継は2時間。この3日間のそれぞれのドライバーの動きやラリーの流れをきっちりと把握してなければ、ライブ中継であのようなスルドイ言葉、そして反応スピードで解説陣とやり合うことはできないのです。
こちらは栗田さんから見せていただいた栗田メモのほんの1ページ。
イベントやステージごとのそれぞれのドライバーの動きやラリーの流れ、ここ数年のレギュレーションの変化、さまざまエピソードがぎっちりと書き込まれています。
同業者でここまできっちりとイベントのメモを残している人にあまりお目にかかったこともなかったので、この勉強熱心なところがあのライブ中継の秘密なんだなあと変なことに感心しているうちに、初解説のお仕事は終わったのでありました。
WRCは、いつ、なにが起きるかわかりません。一瞬の出来事や1秒差の攻防、あるいは感動や悲劇のシーンを伝えるために、J SPORTSでは栗田さんをはじめとして、画面には映らないところで多くのスタッフの方々がウンウンと唸りながら2時間を楽しませるために知恵を絞っているのを知ることができたのは、いい経験でした。
J SPORTSのライブ中継はホント、WRCのことが好きな人たちの真剣勝負で出来上がっていたのでありました!
あ、番組で初公開したヤリスのTシャツどうですか? ウィナーズダービーの賞品のつもりでつくったのですが、栗田さんにもおほめいただいたし、ファンの方にも喜んでいただけるなら、近いうちになんとか市販できるようがんばってみたいと思います!