あれだけ手を尽くして、それでもなお想像を絶することが起こるのがモータースポーツだ。トヨタの今年のルマン24時間レースは、あらためてこの世界の非情さを証明するものになってしまったように思う。
WECのシリーズとルマンの予選までは圧倒的な速さをみせたトヨタですが、6時間でも8時間でもなく、ましてやクオリファイのスプリントでもなく、やはり24時間で勝つためにはさらなる厳しい壁があるような気がします。
マシンを止めたドライバーも無念だろうけど、この日のためにマシンをつくってきたエンジニアたちのことを考えるとやりきれない思いがする。
ゴールはさみしいものになるかと想像していたけど、最後までアストンとコルベットの戦いに手に汗握ることになるなんて! 心底しびれました! 勝ち続きじゃなくて、敗北のドラマがレースをいっそうドラマチックにさせるのだと思う。
負けたレースからトヨタがなにを学ぶだろうか。来年こそ、喜びの涙を流せるレースを見たいと思う。