イヌスケのそれでもラリーは続くのだっ!

真のエースになろうとは。

 ラリーの仕事に携わって8年くらい経ちますが、「こいつは来る」とか思った人が、実際に来る事なんて、なかなかないものです(^^;)。

 あれは2002年の夏、ラリーX編集部に一枚のプレスリリースが届きました。当時23歳の若者が、黒いバッテリーカラーのルノー・クリオS1600で地元ラリー・フィンランドに参戦するから応援よろしく、という内容。

「この顔は大成しないね」と当時の僕はバッサリ切り捨てたんですが(^^;)、某パトロンのバックアップをゲットした彼は、翌年にはフォードのジュニアチームに入り、2004年は引退を決めた先輩のバックアップを受けてスバルに加入。その後放出されるも2年後にはフォードにカムバック。そして今、シーズン2勝目を挙げて、ポイントリーダーに立ちました。

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 そう、ミッコ・ヒルボネンです。

 今回のポーランドで驚いたのは、ミッコの変わり様でした。ある意味、対照的なヤリ-マティ・ラトバラと比べられる事の多いミッコですが、これまでは「押しが弱い」、「大人しい」、「エースには相応しくない」等、色々言われることが多かった。

 正直、昨シーズンの末のミッコとラトバラの関係を見ていたら、ラトバラのスピードが強烈に目立っていた事もあって、「これは2009年に立場が逆転するかも」なんて思ったものです。

 しかし、ポーランドで話した時、ミッコの落ち着いた自信、そしてチャンピオンを狙う目に僕は驚きました。そして、自分の目の不確かさを反省したんですよね。「やっぱり、人を見る目ないなぁ」って(^^;)。

 あのセバスチャン・ローブが、ポーランドで1ポイントを獲るためにあらゆる手段を行使したのを見ても確かです。ローブは、遂にミッコを本当に戦うべき相手だと認めました。ま、順位操作に関しては、ノビコフやローテンバッハといった若手を犠牲にすべきだったかの議論はありますが(^^;)。

 昨年、ローブに正面勝負を挑んで破れたフィンランドで、ミッコがどんな戦いを見せてくれるのか(ラトバラも......(^^;))、本当に楽しみになってきました。


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