18年ぶりにWRC復帰のトヨタとともに、かつてラリーX本誌で連載していた『マシン列伝』もおそらく20年ぶりに帰ってきました。
本当は今年の夏ごろから、じわじわとスタートさせたいと思って準備していたのですが、新生トヨタは僕らの想像もつかないくらいのスピードで、ポディウム、そしてそれに続けて勝利をさらってしまったため、僕らも大慌てで連載を加速することになりました。
マシンイラストはラリーXではおなじみの古岡修一さん。2年前、どうしても日本初上陸のヤリスをいっしょに見たいとトヨタ参戦発表にお誘いして、お台場の会場で興奮の瞬間をともにし、それ以来、連載の準備を温めてきました。
「どうせやるなら中途半端な事はしないで、トヨタのラリーカーを全部紹介しましょう。きっとトヨタはいつか勝つでしょうから!」なんて、話したのはもう2年前なんですね。本当に月日の経つのは早いものです!
もちろんワークスカーだけじゃなくて、トヨタとともに育ったトップドライバーの歴史、初めてサファリやモンテカルロを走ったトヨタの物語も紹介したいし・・・なんてこつこつと準備してきたけれど、とりあえず本日金曜日、連載第1回目は新生トヨタの夜明けというテーマで6台のマシンのストーリーを紹介することになりました。
新しいラリーファンのみなさんのためにも、まずはデビュー戦を迎えるまでのヤリスの物語を知っていただきたいと思ったのですが、それに加え、一台の運命的なマシンの物語をどうしても紹介したいと思いました。
2015年1月、トヨタ参戦発表の場で、豊田社長は、2014年のラリー・フィンランドを訪れた際のエピソードを紹介しています。「かつてトヨタがWRCに参戦していたこと、そのことがまだ多くの方の記憶に残っていることに、驚きと感謝の気持ちをおぼえ、この記憶が消えないうちに、『トヨタはここに戻ってこなければいけない』、そう強く感じるようになりました・・・」
すべての物語には、はじまりがあります。まずは、2014年のフィンランドでカカリストのステージを駆け抜けた衝撃のトヨタGT86 Xでトヨタ・マシン列伝はスタートします。