すばらしいヌーヴィルの今季初優勝に沸いたコルシカ、やっと今季初優勝、いつもはクールな彼も目に涙です。それにしてもこの週末は波乱に出来事が連発しました。フィエスタに多発した謎の油圧トラブル、ミークにとってはまさしく痛恨のエンジンブローでしたが、まだまだ新世代WRカーは完成度低いというか、技術的には伸び代がありそうな感じです。
さて、前回のメキシコのグラベルでは意外にも新世代WRカーがそれほど速くなかったという報告しましたが、今回は初めての純粋な意味でのターマックステージで昨年よりどのくらい速くなっているのか注目してみました。今年のコルシカはほとんど昨年のイベントと同じステージで行われたので比較するにはもってこいでした。
今年の平均速度は優勝したヌーヴィルが93.7km/h、昨年のオジエが94.9km/hなので少し遅くなっています。ほとんど同じステージを使用したとはいえ、SS1の前半はバンピーで狭いセクションに置き換えられたほか、SS6/8では後半の高速ステージがカットされているので、その違いが表れたのでしょう。
それでは昨年とスタートもゴールもまったく同じ地点だった4つのステージを見てみると、その違が見えてきます。
初日の29.12kmのSS2/4ではミークがともに17秒近く速く走っていますが、これが1kmあたり0.58秒速かった計算です。
SS2 29.12km
2016 Ogier :18m39.6s(93.6km/h)
2017 Meeke :18m22.7s(95.1km/h) ▲16.9秒
SS4 29.12km
2016 Ogier : 18m37.5s (93.81km/h)
2017 Meeke : 18m20.4s(95.2km/h) ▲17.1秒
最終日の53.78kmでヌーヴィルは昨年より37秒も速く走っています。これは1kmあたり0.68秒も速く走った計算です。彼は驚くことにここでは「攻めてなかった」と語っていたので唖然としたのですが、あとで2016年イベントのステージ情報を調べてみると昨年は前夜の雨で湿っていたところが多かったみたいですね。
SS9 53.78km
2016 Meeke :33m11.6s(97.9km/h)
2017 Neuville:32m34.6s(99.0km/h) ▲37.0秒
しかし、最後の島南部のポルトヴェッキオに向かう道は、昨年も燦々と降り注ぐ太陽で完全ドライだったのでほぼコンディションは同じ。ここでも1kmあたり0.57秒速かった計算です。
SS10 10.42km
2016 Meeke :6m09.0s(101.66km/h)
2017 Latvala: 6m02.2s(103.5km/h) ▲6.8秒
ということで、昨年のチャンピオンマシンでオジエが走っても今年はトップ5には入れなかった計算となります。とはいっても、昨年の完成されたVWに比べれば、冒頭にも言ったようにまだまだ新型マシンはいずれも完成度が低いような気がします。ここから信頼性を確保すれば、まだまだいくらでも新世代WR カーは速くなりそうな予感がします。いまはMスポーツがマニュファクチャラー選手権をリードしているけれど、まだまだヒュンダイにもトヨタにも逆転のチャンスがありそう!