プジョー208 T16のデビューに隠れてしまった、バッソがLPG(液化石油ガス)燃料車で優勝という本日のニュース。LPGのマシンがガソリンと遜色ない速さをみせたということに、まず驚きました。
バッソが優勝。本命がリタイアしたとかじゃなくて、もう圧勝レベル。
ちなみにバッソのエンジンはスタンダートのフィエスタR5のまま。燃料供給装置とコンピュータ(燃焼のタイミング)をLPガス用に変更しているとのこと。
こちらが燃料供給装置とガスタンクなのだそうです。
そういえば、マンフレッド・ストールもCNG(天然ガス)車のランサーでオーストリア選手権を走っていましたよね。
LPG燃料車というと、すぐにタクシーを思いつくのですが、よく運転手さんが「パワーがなくって、だめなんすよ」みたいなこと言ってますが、LPガスの燃料供給装置も新しいテクノロジーで作ると、そんな常識ももはや遠い過去のお話になるんでしょうね。
といいますか、タクシー業界に明るい知人によれば、そもそもLPガスのタクシーとして有名なクラウン・コンフォートのスタンダードタイプはずっとただのOHV(!)エンジンだから、ふつうのDOHCエンジンのガソリン車に比べてそもそもパワーがないのだとか。納得しました!
でも、ガソリン車と遜色ないパワーがあって、かなりクリーンでエコロジーであるにもかかわらず、なぜLPガス車が日本で普及しないのかというと、LPGの生産供給体制とガソリンスタンドのようなインフラがまったく整ってないからなのだそうです。
さらにガスの取り扱いも難しいようですし、ガスボンベの点検義務があるため車検のようにそのたびに10万円近いお金が掛かるので、なかなか一般車としても普及しなかったのだとか。
代替エネルギーとかエコロジーとは、いいアイディアがあるからといってなかなか技術や個人の努力単体では成立しないもので、このようなものでも社会の仕組みそのものが変わらないと成立は困難であるようです。
しかし、「エコは遅い」という固定観念をひっくりかえしたという点で、LPG燃料車の優勝は世界的なサプライズニュースと言えるかもしれないですね。