VWのエンジン開発のトップ、ウィチェルハウスによれば、メキシコの2700mの標高地点ではスウェーデンより28〜30%もパワーをロスするのだとか。そんなに失ってしまうんですね!
最新の1.6リッター・ターボエンジンの開発をしている人に詳しく話を聞いたことがないので、ちょっと昔の話で恐縮なのですが、以前に三菱の岡崎研究所でランサーエボリューションのグループAエンジンを開発していた伊藤博さんが話してくれたエピソードをご紹介。
当時のグループA/WRカーは2リッター・ターボエンジンで、リストリクターは34mm。それでも、たしかエンジンを4000回転で回すのに毎秒180リットルの空気が必要だと言っておられました。1秒あたり200リッターの標準的なドラム缶1本!
(写真はイメージ)これだけあっても、4分間しかエンジン回せないのね! 空気って、すげ〜!
伊藤さんは、リストリクターに吸気制限されたエンジンは、「陸上選手がストローを口にくわえながら100mの競争をするようなものだ」とおもしろい喩え方をしたことがあります。エンジンやパワーにとって、どれだけきついのか、その感じがよくわかります!
富士山でいえば七合目あたりで行われるメキシコ。エンジンのセッティングはきっと厳しいんでしょうね。