日刊自動車新聞が28日、エボXが生産終了決定と報じています。このモデルが同シリーズの最後のエボリューションとなることはすでに決定されているため、覚悟はしておりましたが、とうとうこの日が来てしまったのかと複雑な気持ちでいっぱいです。
すでに2006年に世界ラリー選手権への参戦を中止し、ホモロゲーションモデルとしての進化を止めていたわけですから、「エボリューション」という名前の存在意義はなんかとっくの昔になくなっていたのかもしれません。
かつては岡崎研究所には年に何度も足を運んだし、30年近く、技術と戦ってきた稲垣秋介さんという頑固なエンジニアから話を聞くことは僕のひとつの楽しみでした。エンジンの内部から駆動系の細かいところまでどのような思想で作られているのかいろいろな人たちに話を聞きましたっけ。そういえば、ちょうど4年前の3月31日にはラリーアートが解体され、三菱のラリー活動の中心的な存在だった木全巖さんも昨年夏に亡くなりました。
せっかくだから「ランサー買うよ」と言おうか言うまいか迷いつつ、今日、旧知の三菱社員の方に電話をして話したのですが、ランサーエボリューションとは、280馬力オーバーのハイパフォーマンス4WDマシンではなく、そのマシンにオーバーラップするあのような人たちの熱い生き様そのものが好きだったからこそ、僕らはあれほどあのクルマに恋い焦がれたと気付いて受話器をおくことにしました。
そう、言われてみれば、たしかに街からはエボが消えたかも・・・。たしかに、ひとつの時代が終わろうとしているのかもしれません。世界中のラリーでは相変わらずたくさんのアマチュアたちに愛されているのですけれどね・・・。