正解発表です。昨日紹介したエキマニは、ヒュンダイi20 WRCのものでした。こんなところにもお金がかかってる感じがびんびんに漂ってます!
エキマニのうねり具合もいいですけど、ミスファイアリングのためのフレッシュエアを送るためのパイピングが美しいですよね! うっとり!
国内のレース関係者に確認したところ、だいたい加工費で150万円くらいするそうですよ。そりゃそうですよ、複雑すぎるもの! もしサテライトチームに提供したら300万円ですね!
アクセルをオフしてブーストが落ちているとき、エキゾーストマニホールド内で未燃ガスを爆発させることによってターボのタービンの回転を上げて加速に備えるのがミスファイアリング(=アンチンラグシステム)ですが、そもそもはトヨタ・モータースポーツ・ヨーロッパ(TTE)が90年代に生んだ技術です。
ヒュンダイのナンダンもTTE出身ですし、このi20のエンジンも明らかにその制御技術の進化系のように思えます。
エアを送る配管を設けないで、未燃ガスとそれを燃焼させるために必要な空気をエンジンの制御によって別々のシリンダーを介してエキゾースト内で爆発させるという方式もありますが、各マニホールドにこのように一本ずつパイピングしてフレッシュエアを送る方が細かい制御が可能だという発想のようです。
ところで次にこちらの写真をみていただけますか。
これはフォルクスワーゲン・ポロR WRCのエキマニです。うねり具合は美しいですが、こちらにはエアを送るための配管がみられません。どうやってフレッシュエアを送って、ミスファイアさせるかというと、実はヘッドの構造がちょっと凝っているようです。
この矢印のあたりにフレッシュエアを送るためのエアインジェクターが付けられます。エンジンのヘッドのマニホールドの下あたりを横に貫いている丸い膨らみがおわかりでしょうか。このなかをエアを通し、各排気ポート内にエアを送っている構造のようですね。
VWのマニホールドは100万円以下でできそうだという話ですが、そのぶんエンジンのヘッドの加工は複雑そうですね。