フォード・ムスタングがラリーカーとして来年のR-GTカップを走るかもしれないというニュースを知って、映画『男と女』の美しい映像を思い出しました。
映画『男と女』は、フランシス・レイの名曲「ダバダ、ダバダバダ」でお馴染みのクロード・ルルーシュ監督の出世作であります。
主人公は、ル・マンにはフォードGT40で出ている、フランス・フォードのワークスドライバーという設定でした。彼は雪と氷のモンテカルロをアメリカンV8のムスタングでクラッシュをさせずに優勝を飾って、そのマシンのまま愛する女性ところへ駆けつけるという、トヨタ86でランエボをカモって峠最速になるのと同じくらい突っ込みどころ満載のストーリーなのでありますが、そのマシンがポルシェでもアルピーヌでもなくムスタングだというところこそが、男の美学なのでありますよ。
恋愛も物事も理屈だけじゃ前に進まないんだよ、というフランスの映画の世界から飛びだしてきたようなチャレンジに純粋なレーシングファンは眉をひそめるかもしれないけれど、フェラーリでもランボでもなくポルシェでもなくムスタングを選んだイタリア人のルジェロ・ラバリオリの心意気が僕は好きだ! 理屈じゃないんだ、パッションなんだよ!
フォードとの関係が深いMスポーツならファクトリー・マスタングを開発するという道もあるはず! ぜひマルコム・ウィルソンにはポルシェを破るマスタング・プロジェクトを興してもらいたい! そうなればもはや誰も映画『男と女』に文句をつけないはず!
ちなみに1966年ラリー・モンテカルロではアンリ・グリダーというドライバーが映画と同じゼッケン184をつけたフォード・フランスのムスタングでちゃんと11位フィニッシュしています。
この人がスタントインをしているのかな? ちゃんとフォードの広報写真が残っていました。