今年のジュニアWRCにエントリーした18名の名前が発表されました。今年は速いヤツがいるかな? 凄いヤツがいるといいな、なんて、いまはなき『オートテクニック』の連載「出てこい光るヤツ!」を25年も前に担当していたことがある編集子は、ここに名前を連ねたドライバーたちの名前をまさしくダイヤモンドの原石のごとく見つめるのです。
どこかの国の選手権で活躍した名前をみつけると、「お、こいつ出てきたんだ!」なんて、会ったこともないのに懐かしさのあまり肩を入れてみたりします。昨年に続いて再度王座に挑む者もいるし、もちろん、まったく知らない名前がほとんど、開幕までにひととおり経歴にはチェック入れておかないといけませんね。
これは開幕戦モンテカルロでのジュニアたちの集合写真。一年経って、ここから上に行けるのは何人? あるいは何年か先に上に上がることができるのは何人でしょうか。一つだけ確かなのは、こここそがワークスドライバーになるための出発地点だということ。各国の選手権で王座をとってもなかなか世界への道は拓けません。最近の傾向としては、やはりジュニアWRC(以前のアカデミー)からWRC2(以前のSWRC)でチャンピオンあるいはタイトル争いをすることがが、トップカテゴリーへの唯一の道だと言えるかと思います。
ジュニアWRCといっても、国に帰れば、それぞれがこのカテゴリーのチャンピオンクラス。世界選手権でのステップアップを心に誓って、あえて「ステップダウン」してこのカテゴリーに挑んでくるドライバーもいるほどですから、毎年毎年、おいそれと勝てないバトルとなっているのです。
いくらメーカーが後ろ盾を用意したり、大きなパーソナルスポンサーを持っていてもなかなか良い結果を出せずに消えていったドライバーは何人もいます。ライバルを蹴散らす段違いの速さを見せてトントン拍子に駆け上がるドライバーもいるし、ここで可能性の光をみせてくれた若者があとあとチャンスを掴むときもあるし・・・。しかし、なににせよ、どこかで結果を出した者だけに新しいステップへの扉が開かれるわけです。ある者は巣立ち、そして多くの者が消えていく、そのいっぽうで新しい挑戦者たちが次々とこの出発点に立つわけです。
そうやって毎年、繰り返し、繰り返し行われてきた若いドライバーたちの戦いのドラマがまた今年も始まるわけです。いつも気になるドライバーをみつけて個人的なチェックリストに入れて、こっそりその成長を見届けるのも私の密かな楽しみでもありますが、さて、今年は誰に注目しましょうか! 出てこい、光るヤツ!