チームにとっても取材陣にとってもあまりにも移動が厳しく大変だったツール・ド・コルス。島一周にこだわり、島中央部のコルテをハブにしてイベントを回そうとしたんだけど、そもそも小さな山奥の町に全チームが宿泊できるベッドなんてあるわけもなく、多くのチームがバスティア近郊から70〜80km移動してサービスに通っていたそうです。挙げ句、チームからは早くもアルザスに戻すべきとの声が挙がっているようです・・・。
たしかに今回はとにかくコルシカでの世界選手権フランス・ラウンドを成立させることが優先されて強引なスケジュールになった感が否めません。しかし、バスティアやポルトヴェッキオ地方からの協賛金がなければコルシカでの世界選手権開催は不可能だったわけで、それらにナイトリグループを置くことはけっしてノスタルジーだけでなく、メインスポンサーをもたないコルシカが生き延びる唯一の方法だったわけです。
コルテの山奥にあった、使われてないローカル飛行場をラリーハブにするのはうまい解決方法だと思ったけれど、サービスはかつてのように車を直す場所だけじゃなくて、人をいい気持ちにさせてもてなしたりするホスピタリティとしての意味合いが大きいわけで、サービスに観客なんていらないと考えた主催者と、いかに多くの人に観てもらうかを評価するチームとは、そのロジックにも大きな隔たりがあるようです。
ターマックの聖地と言われるコルシカのステージはまさしく世界一速いラリーカーを決める戦いにふさわしいものでした。テレビで観戦するファンにとっても運転するドライバーにとっても、コルシカに比べれば、アルザスのステージなんて明らかに格下に見えるんですけど、しかしそれだけではイベントとして成立しにくい現実・・・本当に難しいところです。
なんとか来年以降もコルシカで続いてほしいものです。