ラリー・メキシコの最終日に80kmのグアナファティートというステージが誕生することで話題になっています。
こんなステージ可能なんですか、というメールをいただきましたが、タイヤ交換を前後に挟めば、現行レギュレーションではMAX 80kmのステージを実現するのは可能なのです。しかし、本当にこのステージでビッグなドラマなんて起きるんでしょうか?
すごいなと思うけど、タイヤをもたせるためにドライバーはスピードを緩めるでしょうし、ステージ後にタイヤは交換できても、そのあとゴールまでノーサービスで走りきらなければならないなら、誰だって足回りを壊したくないし、この80kmを本気で走りたがらないと思う。いくら超距離にしても、ゆっくり走ったんじゃ、ドラマなんて起きるはずもないのでは?
同じことはサルディニアでも起きました。2014年に59kmのモンテ・レルノという年間最長ステージが生まれ、主催者は当初、80kmのステージを計画していたことから、今年、この距離はさらに延長されるかと思っていたけれど、反対に二分割されることになりました。
59kmになってタフなステージへのチャレンジになるはずが、タイヤを守るためにかえってアクションが減ってしまい、さらなるドラマが生まれるどころかドライバーもスピードを抑えて長い距離をただ走って疲れただけだったとか。
FIAはWRCのヒストリービデオをつくるときには、かならずマクレーがボロボロのマシンでがんばって走っている映像を入れるけれど、そのようなことがあの当時可能だったのは、本気で走れるサービスのルールがあったからこそ! やみくもに80kmにしたところであのような熱いドラマは生まれないと思う。