あと1時間あまりでモンテカルロのシェイクダウンが始まります。ここの速さだけで勝者を予想することは困難ですが、これまでベールにつつまれていた、2017年の新世代WRカーの実力がはじめて明かされることになります。
新しいレギュレーションのなかでそれぞれのチームが開発を進めてきただけに、昨年までのクルマの実力差が完全にひっくり変えることだってあります。1年をかけてすべてを注ぎこんできたエンジニアやドライバーたちはヒヤヒヤでしょう。ここでとんでもない速さの差が生まれたら、泣くしかありません!
もっともトリッキーな路面コンディションで有名なモンテカルロではマシンやドライバーの正確な実力を判定できないと言われています。たしかにタイヤチョイスを間違えただけで1kmで1秒も違うことはここではよくある話です。しかし、これまでにモンテカルロで勝ったドライバーとマシンをふり返ってみると、このように読みにくいような状況下においてさえ、勝利は偶然でもなんでもないことがわかります。
モンテカルロは2009年から2011年まで世界選手権のカレンダーから外れたことはありましたが、ここ10回開催されたうちモンテの勝者がワールドチャンピオンになれなかったのは、2006年と2013年のわずかに2回。どれほど読めないコンディションであっても、優勝は運や偶然ではなく、チームの実力、ドライバーの実力、マシンの実力、その総合的な実力が適正に現れたものであることがおわかりいただけるかと思います。
モンテでマシンの実力は「見えない」と言われるけど、実は「見えない」のじゃなくて「見えにくい」だけであって、残酷なくらいに総合的な実力差がでてしまいます。
ワールドチャンピオンが駆るMスポーツのフィエスタ、1年をマシン作りに賭けたシトロエン、ワールドチャンピオン獲得を公然と狙うヒュンダイ、18年ぶりに帰ってくるトヨタ、それぞれのマシンがどのような速さをみせてくれるのか。すべてのチームがここで初めてその手の内をすべてさらけ出すことになります。
いよいよ、2017年シーズンの幕開けであります!