今年のラリー・モンテカルロはいろんな意味で計算のできない結果をもたらしたのですが、なかでももっとも誤算だったのはシトロエンだったのでは?
シトロエンのモンテカルロは、木曜日の事実上の最初のステージとなるSS2でステファン・ルフェーブルがトランスミッションのトラブルによってマシンを止め、金曜日の朝の2つめのステージでクリス・ミークが2年前の絶不調期を思わせるようないきなりのクラッシュを演じ、わずか3つめのステージで2台ともがリタイアとなる想像もしないシーズンスタートになりました。
新しいC3の開発を優先するためにチームは一年間にわたって参戦を休止、PHスポールによるスポットでの参戦を行ってきたわけですが、それは同じようにクロノスにチームを委ねて一年間の参戦を休止したあと、2007年モンテカルロで1-2によるデビューウィンを飾ったC4 WRCとはかなり異なるスタートとなったと言えるかと思います。
そう、これまでのラリーヒストリーのなかで、常にモンテカルロで圧倒的な存在感を示してきたシトロエンがこの有り様なんて、なんだか信じられないと思いませんか?
デビューから4戦目の2001年のツール・ド・コルスが初優勝となったクサラWRCもモンテカルロでのデビューとなった2002年は、タイヤ規定違反のためにローブの初優勝が幻となったとはいえ、最初からこのモンテで新時代の到来を予感させるような速さをみせていました。もっとも最近までシトロエンのマシンだった、DS 3 WRCは2011年のデビュー2戦目のメキシコが初勝利でしたが、この年はモンテでの世界選手権は開催されませんでしたが、翌年と2013年に2回、モンテで勝っています。
もちろんこの結果をもってC3の出来を判断するのはできないことなのですが、路面コンディションが一定ではなく、グリップがまったく予想できないステージが特徴のモンテカルロで結果がだせなかったということは、かなりスイートスポットが狭いマシンといえるのかもしれません。いやいや、まだまだ、新シーズンははじまったばかり。次戦のスウェーデンでシトロエンをはじめ、ニューマシンの本当のパフォーマンスがもうすこし見えてくるでしょうか。