昨日のブログでプジョー208のエンジンがモータースポーツに向いてないように書きましたが、これはなにもプジョーだけではないようです。フォード・フィエスタにしても、もうなにからなにまで最新のアルミ製エンジンはペラペラでレース屋泣かせなのだとか。
でも、なぜ同じグループR5規定に沿って作られたフィエスタがパワーがでていてプジョーは四苦八苦しているのでしょうか・・・。私には、この二台、同じレギュレーションで作られながら、そもそもずいぶん性能に差があったように思えるのです。
グループR5規定でどこまでエンジンの改造が許されているのか私はあまり詳しくは知らないですが、所詮はプロダクションラリーカーですから、ターボチャージャーが1000ユーロ(約14万円)とされるなど、基本的なパーツは、ほぼグループNマシンとほぼ同一のきわめて低い価格での販売を義務化する規制がなされております。
しかし、販売価格を同じにすれば性能もイコールになるかというと、そうではありません。ここにプジョーが落ちてしまった、大きな穴があったような気がします。
そもそもこのR5マシンをレギュレーションで決められた18万ユーロ(約2500万円)で販売するためには、いろいろな原価コンセプトがあり、設計のアプローチも異なります。たとえば、レギュレーションで許される範囲での高い性能をめざしてやや高額なパーツを奢っても、原価割れしないようマシンを大量に売って一台あたりのコストを下げるか。あるいは、そもそもレギュレーションで許された改造よりちょっと抑えめの性能に留めたパーツで構成して原価を押さえることを目指すか。製品化にはいろいろな道があり、その結果、かなり違うゴール地点になってしまったのではないでしょうか。
すでに60台を売り上げたフィエスタR5と、これから同じ台数を売らなければならないプジョー。販売数もすでにだいぶ差がついてしまいましたが、速さを販売台数が決めるのならば、これから新たにR5に参入しようとしている自動車メーカーにとっては、さらに厳しい戦いになるような気がします。市場は限られているわけですから。
ちなみにこちらのエンジンもプジョー以上にお金かけないとR5は厳しいでしょうねえ。軽量化のために芸術的なまでに贅肉を落とした、トヨタ・ヴィッツの市販エンジン。ご参考まで。